HBR Staff

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、ツイッターがすぐに全社員をリモートワークに移行させたことは話題を呼んだ。同社はこの急激な環境変化に、どう対応したのか。本稿では、ツイッターの最高人事責任者が、コロナ禍での取り組みを語る。


 この春、コロナ禍の中でツイッターは約5000人の社員全員をリモートワークに移行させた。

 同社が本格的なリモートワークに一挙に転換したことは、よく知られている。しかし、リモートワークへの転換がどのような結果をもたらし、未来の働き方、働き手、職場にどのような影響を及ぼすかは、まだはっきり見えてきていない。

 7月後半、私はツイッターの最高人事責任者であるジェニファー・クリスティと電話で話し、社員たち――ツイッターの幹部たちは、愛情をこめて社員のことを「ツイープス」と呼ぶ――を導いて、リモートワークへの急転換を遂げさせた経験について尋ねた。

 クリスティは私との会話の中で、在宅勤務への移行をめぐる試練と想定外の経験について、リモートワークへの移行に関して社員に提供している支援について、そして、コロナ禍が終わったあとも続くと予想している支援について語った。

カバズ(以下太字):私たちは今年、歴史上前例のない春と夏を経験しました。あなたは、この経験を通じてツイッターは完全に変わったと述べています。それは、具体的にはどのような意味なのでしょうか。

クリスティ(以下略):人々は新しい行動パターンに移行し始めています。ご存じのように、それは1週間や2週間で終わることではありません。どのような能力がリモートワークで役に立つかに気づき始めており、マネジャーたちは、リモート環境で部下をマネジメントすることに慣れ始めています。

 その結果、コロナ禍が終わったときにあらわれる「ニュー・ノーマル」がどのようなものだとしても、それはこれまでとまったく異なるものになります。言うまでもなく、これはツイッターだけの話ではありません。すべての人に当てはまることです。

 ツイッターの人事責任者として、リモートワークへの移行はどのような経験でしたか。その経験を通じて、みずからの役割や責任に対する考え方が変わりましたか。

 人事部門は、以前よりも社員の私生活に深く関わるようになりました。肉体の健康、情緒面の健康、精神の健康というすべての面で、私たちは社員を支援しなくてはならないからです。

 この夏、社員の子どもたちのために「バーチャル・キャンプ」を開催しました。子どもたちが社会と関わる機会を提供したいと考えました。

 コロナ禍以前は、このような形で社員の私生活に関わることはまったく考えもしませんでした。私たちはこれまでになく、社員の生活に深く関わり、大きな責任を持つようになったのです。

 コロナ禍が終わっても、これが元に戻ることはないでしょう。社員の私生活と職業生活の両面に対して、いっそう徹底した支援を行う方法を模索しているところです。