ここまでの話の中で、マネジャーについての言及が数回ありました。マネジャーの役割はどのように考えていますか。マネジャーにどのようなリソースを提供していますか。

 私たちが学んだ大きな教訓の一つは、大規模な変革を成し遂げるうえで現場レベルのマネジャーたちがいかに重要かということです。(リモートワークへの移行を進めるに当たっては)リモート環境で部下をマネジメントすることに加えて、部下の気持ちを把握するという面でも現場レベルのマネジャーたちの能力が大きな意味を持ちます。

 現場のマネジャーは、言ってみれば会社にとって最前線の防御部隊です。いま現場で何が起きていて、どのような対応が必要とされているのかを教えてくれる存在なのです。

 私たちは、マネジャー向けにリモートチームのマネジメントに特化した研修を行い、マネジメントに役立つオンライン上のリソースを提供しています。会社が用意しているリソースと福利厚生制度をすべて活用し、チームメンバーに柔軟な勤務形態を認め、月例の面談を通じて部下の業務負担を適切に管理する方法も、研修のテーマにしています。

 今後、ツイッターのオフィスはどのように変わっていくのでしょう。

 私たちはいま、オフィス空間の見直しに取り組んでいます。これは、(感染拡大防止策としての)ソーシャル・ディスタンスを取ることだけが目的ではありません。どのようにオフィスを使いたいかについて、社員の新しい志向を反映させることも目的にしています。

 ツイッターの社員はコロナ禍以前から、「恒久的に」リモート勤務を行うことを選択できるようになっていました。そうした働き方をいつでも選べるのだと、いま改めて周知徹底しているところです。社内でアンケート調査を行い、社員の声に耳を傾けた結果によると、社員の間では、コロナ後も全面的にリモート勤務を続けたいという欲求が強まっています。

 オフィスのつくりをどのようにすべきかは、煎じ詰めれば、社員のどれくらいの割合がオフィス勤務を望み、どれくらいの割合が在宅勤務とオフィス勤務のハイブリッド型を望むかによって決まります。その割合は、今後大きく変わっていくと思います。それでも、常時オフィスに出勤して働く人が少数派になることは、少なくとも間違いないでしょう。


HBR.org原文:Inside Twitter's Response to the Covid-19 Crisis, September 10, 2020.


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