コロナ禍により業務が急増しているチームを支援するために、どのようなことを行っていますか。

「ツイープ・エクスチェンジ」という取り組みを始めました。過大な業務負担に苦しんでいるチームが比較的余裕のあるチームに助けてもらえるようにすることが目的です。

 この活動のために、短期間の研修プログラムを用意しました。社員が自発的に手を挙げて、しばらくの間、ほかの業務のトレーニングを受けられるようにしたのです。研修を受けたあとは、業務が急増した部門の応援に回ります。

 ツイッターには、世界で5000人を超す社員がいます。社員の肉体と精神の健康を守るために、どのような支援を提供していますか。

 臨床心理士が世界中の社員を対象にウェルネス・プログラムを運営しています。この人物の下、社員のための相談時間を設け、社員と関わる機会もたっぷり確保するようにしました。福利厚生の一環として、すべての社員が数回のカウンセリングを受けられるようにし、そうした制度の存在を社員に周知するように努めています。

 子育て中の社員向けには、「@ツイッターペアレンツ・ビジネスリソースグループ」というグループを設けています。このグループを通じて、さまざまな問題を把握できています。

 アンケート調査や聞き取り調査を通じ、特に学校が休校になったことで社員がどのような問題に直面しているかを調べました。そうした調査の結果に基づいて、託児施設や柔軟な勤務体系の導入などの面での支援を強化し、マネジャーたちには、子育て中の部下に最大限柔軟に対応するよう指示しています。

 社員の成績評価の方法は変えましたか。

 はい。成績評価を1年間停止しました。いま誰もが過酷な仕事に忙殺されていて、激しいストレスにさらされていますが、その中でも社員が自分の健康と幸せを最優先にしてもらうことが狙いです。

 いま米国では、人種間の正義をめぐるデモと抗議活動がかつてない盛り上がりを見せています。そうした動きに、どのように対応していますか。

 ひとことで言えば、これを機会に、すでに実践している取り組みすべてに正しいエネルギーが注ぎ込まれて、適切なペースで取り組みが推し進められるようにしています。

 インクルージョン(包摂)とダイバーシティ(多様性)をテーマに全社集会を行い、すでに実行している活動と計画中の活動についての話し合いの場を設けました。この全社集会を通じて、いまどのような格差が存在していて、その格差を埋めるためにどのような取り組みを計画しているかを社員が明確に理解できています。

 また、すべてのツイープたちの声に耳を傾ける場も数回設けました。社員のさまざまな経験について、余すところなく理解したいと考えたためです。そうした理解をさらに深めるためのアンケートも実施しました。社員は自分が包摂されていると感じているか。どのような面で格差が存在しているか。こうしたことを調べました。

 こうした取り組みには終わりがありません。すべて達成できたと満足できる日は、けっして来ないのだと思います。