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営業組織はコロナ禍で、デジタルやバーチャルへの移行を余儀なくされるなど、かつてない危機にさらされている。だが、ただ単にリストラやダウンサイジングを行えば、顧客関係や売上げに破壊的な影響が出るのは明らかだ。そうではなく、この危機を営業組織を変革する好機ととらえるべきだと筆者らは指摘する。遅れているデジタル化を加速し、営業プロセスの見直しをはじめとする組織全体の変革をいっきに推し進める。本稿ではいますぐ取り組む4つの課題を挙げて論じる。


 営業部門のリストラやダウンサイジングといった大きな変化は、営業チームの働き方やそれを支えるシステムに破壊的な影響を与える。統制が取れていない変化は、顧客関係にダメージを与え、売上げを損ない、営業担当者のセルフコントロールの感覚や自尊心を脅かしかねない。

 そして驚くことではないが、リーダーは重大な出来事が起きて対応を余儀なくされるまで、大きな変化を躊躇するものだ。

 新型コロナウイルス感染症のパンデミックのような危機下では、営業部門のリーダーやマネジャー、担当者は、より変化を受け入れやすくなる。さらに、リーダーがメンバーをまとめて、共通の課題に取り組もうとするという意味で、危機はチームのエネルギーをかき立て、果敢に挑戦する姿勢と忍耐力をもたらす。

 変革を実行しやすい環境になれば、何を変えるかという決断が大きな課題になる。

 コロナ禍で、バーチャルなつながりに移行せざるをえなくなっただけでなく、営業組織は極めて重要な問題に向き合っている。すなわち、顧客は今後、どのような方法で購入するのか。そして、営業プロセスのうち、バーチャルな部分はどのくらい残るのか。

 これらの問題は、営業組織の設計や成功要因の特定、インセンティブ制度の構造など、営業マネジメントの意思決定にとって、どのような意味を持つのだろうか。時間が経つほど、変革の実行は難しくなる。いますぐ考えるべき4つの課題を見ていこう。