バーチャルなコワーキング
仕事中に互いのバーチャルな存在を感じられるようにするために、ビデオ通話を使うことを、ストラスマンは奨励する。そのためには、ビデオ会議用のリンクを用意し、あらかじめ時間を設定しておくだけでよい。
最初は30分から1時間という短い時間から始めることをストラスマンは勧めるが、なかには半日間もバーチャルで一緒に働いている従業員もいるという。「誰かが周りにいると、集中力が増す」と、彼は語る。「そして、ちょっと質問したいと思った時には、そうすることができる」
重要なのは基本ルールを設定しておくことだと、ストラスマンは強調する。たとえば、彼のチームではメンバーが席を外したり、食事をしたりする時にはビデオを切ることにしている。これはチーム内で合意済みのルールだ。
メンバーはバーチャルで一緒に仕事している間は、各自の音声をミュートにしないため、オフィスにいる時と同じように、すぐに質問したり、対話に応じたりすることができる。
もし質問に答えるのに数回のやり取りでは済まない、あるいは本格的な議論に発展する場合には、ほかのメンバーの邪魔にならないよう、会話に参加する人たちだけ「ブレイクアウトルーム(分室)」に移動するか、別のビデオ会議を設定して、そのリンクから入り直す。
「会話に深く入り込みすぎないようにする責任は、全員にある。集中の妨げになるような会話をしている人に対しては、注意する義務がある」と、ストラスマンは言う。「この方法が便利なものになるかどうかは、すべての従業員の手に委ねられている」
ストラスマンのチームは通常、勤務時間の90%以上を、黙々としゃべることなく働いている。バーチャルなコワーキングという方法は、他人の気を散らすのではなく、社会的孤立を和らげ、自然発生的な協働の機会を増やしつつ、メンバーがそれぞれ自分の仕事に集中することを可能にすると、彼は語る。