オフィスアワーの設置
ストラスマンは毎週オフィスアワーを設けて、チームメンバー2000人全員を招待している。「毎週1時間、スケジュールに組み込んでいる」と彼は説明する。
「時間帯を変えることで、どのタイムゾーンにいても参加できるようにしている。何か話し合いたいことがあれば、質問をあらかじめ送ってもよいし、特に話したいトピックがなければ、私がその週に何が起きていて、何を考えているか話をする。私もチームに様子を尋ねるが、特に議題は決めていない」
チームの規模が大きいため、オフィスアワーの参加者が多すぎて大変なことにならないかと、私は尋ねた。すると彼は、オフィスアワーは毎週設定されており、目新しいことではないので容易に対応できると答えた。
「いろいろなことがあって忙しい週には、20~30人が集まる。そうかと思うと、1人か2人の週もある」
オフィスアワーはストラスマンのチームメンバーが、自然発生的で自由闊達な会話を通じてつながる機会でもある。
彼は「オフィスアワーはとても評判がよい。実際に給水機やランチルームに足を運ぶ機会がない中、まるで実際にそうした場所で顔を合わせているかのように会話が生まれるからだろう」。オフィスアワーのおかげで、ミーティングの設定数を減らせる副次効果もあると、彼は言い添えた。
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バーチャルなコワーキング、ホットウォール、そしてオフィスアワーの導入はけっして難しいことではない。すでにほとんどの企業が所持しているビデオ会議の技術を使えば、実行可能である。
組織に必要なリモートワーク能力が第二世代に移行するにつれて、自由闊達なバーチャルコミュニケーションがさらに可視化され、勤務時間の中で重要な部分を占めるようになっていくだろう。
HBR.org原文:Give Your Remote Team Unstructured Time for Collaboration, October 27, 2020.
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