オフィスにつながる「ホットウォール」
2つのオフィスを専用回線でビデオ接続する方法は、しばしば「ワームホール」と呼ばれ、10年以上前から存在している。ネットワークオペレーションセンターでは、センター同士を高解像度の映像でリアルタイムにつなげるために、ビデオフィードを継続的に表示するのが一般的だ。
ストラスマンが「ホットウォール」と呼ぶのは、その新たなバージョンだ。主に、リモート勤務の従業員とオフィスに出社勤務している従業員をつなげたいと考える企業で導入されている。
ホットウォールは、何気ないやり取りを促すことを目的としている。一般的には、カメラやコンピュータが接続された大型モニターを、人の往来が多い中心的な場所の壁に設置し、リモートで働く従業員が同僚を「訪問」するために顔を出せるようにしている。
ランチルームや休憩室にホットウォールを設置すれば、離れていても休憩中にほかの従業員とつながることができる。デスクの間やオープンスペースのホットウォールは、勤務時間を通じて非公式な形でつながるのに適している。
ホットウォールは「従業員がオフィスを覗いて、何が起きているかを見ることで、自分が会社の一員であると実感する、あるいは何かを逃したと感じさせないようにしてくれる」とストラスマンは語る。あらかじめ予定が組まれた電話会議やビデオ会議とは異なり、その場で即興的に会話が始まるため、協働が促進される。
ホットウォール用スクリーンの音量や雑談のルールについては、あらかじめチーム内で合意しておくとよい。それは設置する場所によっても異なるだろう。
試しに、ホットウォールをオンにする時間帯を毎日決めておくという実験もできる。たとえば、休憩室で昼前後2時間という具合だ。従業員がすでにユーザーとして経験豊富であれば、ホットウォールを午前中の早い時間から終日、つなぎっ放しにしておくことがほとんどだ。