インターネットでヒントを探す

 最近では、ほぼすべてのものをオンラインで見つけることができ、企業文化もそうだ。何を探すべきかさえ知っていればよい。

 企業のリモートワークを支援するブレンドミー(Blend Me)の共同創業者でCOO(最高執行責任者)のカリーム・クラークソンは、「理想的には、企業はオンライン上でミッション、ビジョン、カルチャーステートメントを公開している」と言う。

 クラークソンによれば、求職者はそれらのメッセージに含まれる言葉のニュアンスのほか、下記の点に特に注意を払うことから始めるべきだ。

職務記述書に使用されている言葉を分析する:求人情報の書き方には、特に注意が必要だ。公然とは共有されていない信念や優先順位が言葉遣いに表れる。たとえば、頻繁な締め切りに間に合わせるためのスピードを強調していたり、ハッピーアワーなどの特典を謳っていたりする(だが職場の柔軟性は推進していない)求人情報は、ワークライフバランスを重視していないことを示唆しているかもしれない。

 キーワードの中には、一見すると前向きに思えるものもある。"scrappy"(やる気に満ちた、断固とした)」は"resourceful"(対処能力のある)のような意味に思えるかもしれないが、実際にはまったく異なる意味で、会社はわずかなリソースで多くの仕事を期待しているか、低賃金で雇用することを意図しているかもしれない。

ジェンダーバイアス・デコーダを使用する:テキストを読み取り、そのトーンを分析してジェンダーバイアスを分析するさまざまなオンラインツールがある。たとえば、"competitive"(競争的な)、"dominant"(支配的)、"leader(リーダー)"といった言葉が使われている男性的な傾向が強い職務記述書に対しては、女性候補者の応募が少ないかもしれない。

グラスドアなど求人レビューの掲示板を確認する:会社の規模や知名度によっては、レディット(Reddit)にも特定の組織に関するスレッドが掲載されていることがある。現在の従業員や元従業員による匿名のレビューを読むことで、より多くの情報を得ることができる(ただし、匿名レビューが「すべて」正確とは限らない)。非現実的な仕事量や期待、成長の機会の欠如、集団思考(特に同質性の高い業界)、有害な社内文化を指摘するコメントがあれば危険なサインだ。

最後にソーシャルメディアで調べる:雇用主がいま、ソーシャルメディアで何をシェアしているか見てみよう。そして、論争が予測できないことが生じた時期にさかのぼり、社会運動、市民の暴動、人種差別、公衆衛生問題などに、どのように反応したかを確認する。そうした時の反応から、その人の中核を成す価値観や信念がよくわかる。

 ソーシャルメディアを介して価値のあるコミットメントを示している企業もある。IBMはキャリアの再スタートを支援し、家族の面倒を見るために同社を退社した多くの女性を支援するキャリア再開プログラムを通じて、男女平等を推進している。

 アウトドアブランドのREIなどはソーシャルメディアを使って、コンシューマリズムとその環境への影響に対する意識を高めている。ブラックフライデーのセールに代わるものとして登場したREIの「#OptOutside」キャンペーンは、同社のエートス(精神)を体現している。