隠れた情報を探り出す
双方向のワークショップを提供するアウェイクン(Awaken)のCEOミシェル・キムは、より綿密なアプローチを推奨する。
「私は面接で具体的な質問をするのが好きだ」とキムは言う。「シナリオを用意すれば、企業文化についてより詳細な回答を得ることができる。そうしなければ、『私たちはとても協力的です!』『結果重視です』『ダイバーシティとインクルージョンを大切にしています』といったような、一般化されすぎた説明をされることもある」
面接が対面でもバーチャルでも、事前に質問を用意し、可能な限り具体的な内容にするようキムはアドバイスする。適切な質問をすれば、思っている以上に多くのことを知ることができるという。
たとえば、「御社の文化について教えてください」と聞くのではなく、もっと直接的な質問をする。以下がその例だ。
・誰かがプロジェクトで失敗した時、チームはどのように対処していますか。
・集団を代表しない従業員のためのインクルーシブな文化をつくるために、具体的にどのような取り組みをしていますか。
・部門横断的な衝突があった場合、どのように解決していますか。
・従業員がリモートで仕事をしている場合でも、会社はどのようにしてコミュニティの感覚を確保していますか。
それでも漠然とした回答が返ってくる可能性はあるとキムは言う。しかし、それすらも有益な情報だ。曖昧さは、あなたが提起した重要なトピックについて、その会社が議論していないことの表れだ。肯定的なサインではないが、仕事のオファーを受ける前に知っておいたほうがよいだろう。
実際の企業文化が、あなたにアピールしようとしているものと一致しない事実に気づくこともあるかもしれない。彼らの善意が、本物ではなくビジネス的だったり、インパクトのあるものではなく一過性のものに感じられたり、あるいは(さらに悪ければ)根拠のあるポリシーではなくPRの役割しか果たしていない場合は、危険信号だ。
つながる努力をする
上記のアドバイスは、あなたがまだ面接の段階なら役立つかもしれないが、もし手遅れだったらどうするか。本稿を読んでいるあなたが、すでに仕事のオファーを受け入れていたらどうすればよいのか。
特にリモートで仕事をする場合、新しい会社の文化をどのようにして読み解くだろう。
非営利団体カタリスト(Catalyst)のウィメン・アンド・フューチャー・オブ・ワークのシニアディレクター、ローレン・パスカレラ・デイリー博士は、リモートで働く人は、採用されたら他の従業員とつながる機会をつくることで、意図的に情報を探し出すべきだと指摘する。
「新入社員が仕事に慣れるためにリモートでのオンボーディングのプロセスをしっかり実施している組織もあれば、よりインクルーシブなオンボーディングの経験を提供するための行動が必要な組織もあるだろう」と、デイリーは言う。
新しい会社で初日を迎える前に、次のような質問をしよう。
・幸先のよいスタートを切り、会社について深く知るのに役立つハンドブックやオンライン研修、その他のリソースはありますか。
・会社はどのようなソーシャルプラットフォームを活用していますか。
・リモートオンボーディングのパートナー(つまり組織の不文律や規範を教えてくれる同僚)として、私とペアを組んでくれる人はチーム内にいますか。
「最後に、情報やサポートがもっと必要な場合は、いつでも依頼していいことを忘れないでほしい」とデイリーは言う。「インクルージョンとエクイティの構築は、オフィスにいてもリモートで仕事をしていても重要だ。小規模で自然発生的で、頻繁な社会的交流は、オフィスでのつながりをつくるのに役立つ。リモートで仕事をしていてもそれがあるべきだが、意思がより必要とされるかもしれない」
あなたがどのような立場でも、これらのヒントを参考にして自分に合う(あるいは合わない)職場の文化を見極めよう。最終的に選ぶ会社は、あなたを(あるいはあなたのウェルビーイングを)疲弊させるのではなく、繁栄させるものであるべきだ。
HBR.org原文:How to Find Out if a Company's Culture is Right for You, November 30, 2020.