
コロナ禍を何とか乗り越えようとする組織がある一方、難局を乗り切るために必要なスキル、すなわちレジリエンスが備わっていないと気づき、右往左往する組織がある。数百人のエグゼクティブとの対話を通じて、リーダーがレジリエンスのあるチームを構築するためにどのような介入をすればよいかを明らかにした筆者らは、「ハイリターン・プラクティス」と呼ばれる方法を勧める。チームメンバーがともにレジリエンスを高めるために、リーダーが実行すべき7つの戦略を紹介する。
アップルのティム・クックCEOは、2020年第4四半期の業績がウォール街の予想を上回ったことを発表した際、パンデミックによる前例のない困難な状況下でも同社が強くなった主な要因として、チームのレジリエンス(再起力)が高いレベルで機能している点を挙げた。
「今年は物理的に離れていながらも、我が社ではチーム同士、同僚同士が通常以上に互いを信頼し、頼りにしていたのは明らかだった」とクックは語った。「そのような本能、そのようなレジリエンスは、2020年を切り抜けるうえで不可欠な要素だったと思う」
チームにとってレジリエンスを高めることは、かつてない喫緊の課題となっている。2021年には新たな四半期目標や中間目標を達成しなければならないからだ。
残念ながら、アップルのような企業が存在する一方で、その正反対の企業も同じくらい存在する。コロナ禍で、チームが必要なスキルを持っていないことに気づいた組織である。
そこでいま、多くの企業のリーダーが、レジリエンスを培うためにいったい何をすればよいのか考え始めている。