●「自分の課題」として取り組む

 レジリエンスのあるチームは、自分たちの恐怖心や懸念について話し合う。信頼を築き、正直さを損なわないようにすべく、リーダーはこのプロセスの進行役を務める。そして、恐怖心や人間関係にまつわる課題があることを認め、チームでその解決策を考えるようメンバーに促そう。

 たとえば、進行役としてそれぞれのメンバーに、チームの現状についてどう感じていて、どのような問題を抱えているかを聞くとよい。いまある問題の一部は「自分の課題でもある」と考えるようチームメンバーそれぞれに促し、チーム内で非難の応酬にならないようにする。

 ●気遣いを示す

 リーダーは、チームの仕事の進捗に心の底から関心を持っていることを定期的に示し、根底にある問題を理解するために、核心をついた質問をする必要がある。

 しかし、質問するだけでは不十分である。レジリエンスのあるリーダーは、その質問に対するチームメンバーからの答えにも、注意深く耳を傾ける必要がある。レジリエンスが足りないと明らかになるのは、この時だからである。

 ●「体温」をチェックする

 あらゆるミーティングの開始時に「いまのエネルギーレベルは、1(最も低い)から5(最も高い)までで何点か」とチーム全員に尋ねる。このシンプルかつ手短な方法で、配慮が必要なメンバーがいるかどうか、ふだんより疲労やいら立ちを感じているメンバーがいるかどうかを素早く判断できる。

 ●互いのレジリエンスを高めるためにコミットする

 我々はこれを「ともに高みを目指す」と呼ぶ。チームの一体感と同僚間のサポートについて何を期待しているか、明快かつ明確に伝える。苦労している同僚を助けるのにチームメンバーが少しでも躊躇したり抵抗を感じたりしているなら、それはより深い介入が必要だというサインである。

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 つまるところ、チームのレジリエンスは電池に似ている。すなわち、定期的な修復と充電が必要なのだ。そのための対策を講じているチームは態勢が整い、さらに重要なことに、コロナ禍の最中はもちろん、収束後もあらゆる難題に対して積極的に取り組むことができるだろう。

編注:その場にいる誰もが認識しているにもかかわらず、あえて触れようとしない重大な問題があるという意味の慣用表現。


HBR.org原文:7 Strategies to Build a More Resilient Team, January 21, 2021.