我々が「GoForwardToWork.com」イニシアチブを通じて数百人のエグゼクティブと対話したところ、レジリエンスのあるチームを構築するためにリーダーがどのような介入をすればよいかが明らかになった。我々はこれを「ハイリターン・プラクティス」(High-Return PracticeTM)と呼んでいる。

 チームのレジリエンスを高める方法は多数あるが、我々が勧める方法を以下に紹介する。

 ●キャンダーブレイク

 心理的安全性、すなわちチームのメンバー全員が意見を自由に述べても後から制裁を受けたりしないと信じられることは、レジリエンスのあるチームづくりに不可欠である。

「部屋の中にゾウがいる[編注]」 と感じる時に、優れたチームのリーダーは、我々が「キャンダーブレイク」(率直に話す休憩時間)と呼ぶものを設定し、それぞれの考えや感情を共有するようにチームメンバーを促す。

 フェラッジ・グリーンライトでは、このような状況を「部屋の中にヨーダがいる」時間とも呼んでいる。チームメンバーは誰でも呼びかけることができ、必要な場合には小さなグループに分かれて(バーチャルミーティングの場合はブレイクアウトルームのような機能を使って)率直かつ正直な話し合いをさらに促す。

 ●独立したオブザーバー

 チームメンバーが自分の仕事に対する率直な評価を受け入れやすくするため、レジリエンスのあるリーダーは外部から専門家を招き、議論すべき問題点やチームダイナミクスに関する客観的な見方を示してもらう。

 ●ストーリーの共有

 メンバーの参加と信頼、そしてエンゲージメントを高めるために、レジリエンスのあるチームのリーダーは、チームメンバーに対してこれまで経験した山あり谷ありのライフジャーニーマップを描き、最も重要な出来事をチーム内で共有するよう奨励することが多い。弱い部分まで見せ合うことで、思いやりと謙虚さを歓迎する環境をチームに醸成できる。