まず、真にレジリエンスがあるといえる資質をチームが備えているかどうかを判断するために、リーダーはいくつかの厳しい質問を投げかける必要がある。
トップクラスのエグゼクティブチームに対するコーチングの研究や経験を通じて、我々リー・ヘクト・ハリソン(LHH)およびフェラッジ・グリーンライトの両社は、レジリエンスのあるチームに不可欠な4つの特徴を見出した。すなわち、率直さ、問題解決力、思いやり、謙虚さである。
・率直さ:あなたのチームは、互いにオープンで正直な会話やフィードバックができるか レジリエンスのあるチームは、直面する問題をともに突き止めて解決するために、メンバー同士で真実を話すことができる。
・問題解決力:困難な状況や問題に直面した時、あなたのチームは協力して創造的かつ有効性のある解決策を構築できるか レジリエンスのあるチームは逆境をはねのけ、新たな困難をすすんで受け入れる。問題解決のためにエネルギーを費やし、外部環境に惑わされることなく、たえず結果に目を向ける。
・思いやりと共感:チームのメンバーは真に互いを気遣い、成功と失敗の両方を分かち合っているか レジリエンスのあるチームは互いを深く、真の意味で思いやるメンバーによって構成されている。自分の能力を認められることや自身の成功を求めることよりも、チームで「ともに向上すること」に深くコミットしている場合、レジリエンスが高いことが多い。
・謙虚さ:チームは他のメンバーに助けを求めたり、助けを受け入れたりできるか レジリエンスのあるチームは、問題が手に負えなくなったことを認め、チーム内あるいは組織内の誰かに助けを求めるのを躊躇しない。自分が苦闘していることを隠さず、困難に正面から取り組み、解決策を見出すためにグループとしての責任を受け入れる。
ここに挙げたのは、レジリエンスのあるチームの中核的な資質や価値観である。しかし、チームのレジリエンスが低いために問題が起きている場合はどうすべきか、という疑問は残る。
レジリエンスには、ある程度の自己認識と共感が必要で、チームの中にはそれが簡単にできないメンバーがいるかもしれない。リーダーがすべきは、チームの状態を評価し、弱みを明らかにした後、チームメンバーが壁を乗り越え、信頼、透明性、自己認識の土台を築けるような戦略を実行することである。