●苦しんでいる部下をサポートする

 燃え尽き症候群の解決策のほとんどは、全員に同じ効用があるような万能薬ではない。部下のことをよく知ることで、協働して仕事を進め、彼らからプレッシャーを取り除く方法を見つける助けになる。

 ここでは、創造性を発揮することが重要だ。あなたは、特定のストレスの原因を取り除き、いくつも重なるリクエストの荷を降ろし、プレッシャーに対処する方法を提案できるかもしれない。あるいは、自分自身にとってストレスになっている問題を打ち明けて、一緒に笑うこともできるかもしれない。

 具体的な措置を講じることができない場合でも、共感とディープリスニングによって、感情面のサポートをすることはできる。ただし、ここで求められているのは、正真正銘、心からの支援だ。多くの仕事を与えておいて、「いい週末を」「しっかり休めよ」と言っても、効果はない。励ましの言葉に信憑性がなければ、燃え尽きている感覚をいっそう悪化させる。

 ●即時性を求める文化と闘う

 緊急の仕事をさせたり時間を遵守させたりする傾向が、自分のチームに不要なストレスを与えていないか考える。場合によっては、延長できる期限や先延ばしにできるプロジェクトがあるかもしれない。

 柔軟なスケジュールを設定することで、部下の仕事人生と家庭生活の衝突を緩和できないか。スタッフのローテーションを組むことで、限界に近い業務領域をサポートし、バックアップ体制を構築できないか考えてみよう。

 典型的な運営体制から一歩下がり、新鮮な目で全体的な状況を見れば、従業員のストレスレベルを下げるための具体的な対策を見つける助けになるだろう。

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 燃え尽き症候群は、新しい問題ではない。だが、それを悪化させた新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、2021年も続いている。それだけに、企業のリーダーが従業員の燃え尽き症候群の兆候に気づき、症状を緩和する方法を理解することが、極めて重要になっている。


HBR.org原文:Do You Know Burnout When You See It? January 28, 2021.