●新しい社会的習慣を奨励する

 在宅勤務によって、仕事と生活の境目が曖昧になっている。両者を分ける通勤などの習慣がなくなり、多くの従業員がギアチェンジに苦労している。雑談は、家庭での役割から離れ、マインドセットを仕事モードに切り替える助けになる。

 だからこそ、会議の最初に毎回、メンバーが挨拶を交わし、冗談を言い合い、互いに楽しい質問をするための時間を組み込むべきである。会議に向けて、ポジティブ雰囲気をつくる効果もある。

 別のアプローチとしては、スラックやチームワークに「バーチャルラウンジ」をつくり、チームがオンラインで定期的にコーヒータイムやトリビアクイズ大会、ハッピーアワーなどを開催して、交流できるようにするのもよいだろう。

 リモートワークをしている世界中のプロフェッショナル500人を対象に、INSEADが実施した最近の調査によれば、新たなバーチャル環境で成功しているチームは、クイズ大会や共有するプレイリストに関する集まり、読書会、映画クラブといった交流会を正式な行事として開催している。

 この強制的な「お楽しみ」は、最初のうちは少々気まずい雰囲気があったかもしれないが、このような儀式を行っていなかったチームは、ニューノーマルに適用するのに苦労し、人とのつながりを以前のようには感じないと回答した。

 ●「何気ない出会い」を再構築する

 従業員同士の非公式な接触を、バーチャルで演出する方法を見出した企業もある。

 たとえば、スパーク・コラボレーションのような企業は、互いに面識のない従業員同士にリアルタイムで交流を促す「オフィス・ビデオチャット・ルーレット」の導入を支援している。

 スパークのクライアントである国際的な法律事務所の担当者は、次のように述べている。「コロナ禍でも、オフィス環境で見かける従業員同士のランダムな交流が生まれるようにすることが重要だった。それがイノベーション、ネットワーキング、コラボレーションを後押しするからだ。人間関係の構築になくてはならない」

 エアミートのように、従業員向けにバーチャルスピードネットワーキングを設定できるプラットフォームもある。こうした交流は自然発生的ではないものの、よりインクルーシブ(包摂的)であることが利点の一つとして考えられるだろう。偶然に頼るのではなく、全員に接触の機会を与えることになるからだ。