●属性2:パーパスやミッションとのつながり
研究によれば、欧米文化は個人主義を重視し、集団主義は重視しないことが示されている。新型コロナウイルス感染症がもたらした大規模な変化は、こうした社会に協力し合い、つながりを維持することが大きな力になることを気づかせた。
特にミッションやパーパス、あるいは指針となる北極星のように共有できるものとのつながりがあれば、人々は移行や不確実性がもたらす一時的な痛みよりも、もっと重要な何かに集中することができる。
これは特に、職場で威力を発揮する。よく語られる例として、米航空宇宙局(NASA)のある清掃員に関する話がある。
1961年、同局を訪問したジョン F. ケネディに、あなたはどのような仕事をしているのかと尋ねられると、その清掃員は「月に人を運ぶ手伝いをしています」と答えたという。この話は通常、NASAのミッションがいかに根強いものか、そしてそれがNASAの野心的な目標の達成にいかに貢献しているかを表すために使われる。
しかし、それは単なる過去の遺物ではない。筆者らの研究チームは2016年、米連邦政府が過去に収集したデータについての複数年の分析を実施し、生産性とエンゲージメントリーダーシップ、仕事の満足度に関する連邦機関の指標を追跡した。
15年以上にわたって収集されたデータを分析した結果、ミッションとの深いつながりを持つ機関は、そのつながりがほとんど、あるいはまったくない機関に比べ、すべてのパフォーマンス指標でスコアが高いことが明らかになった。
特にパーパスやミッションとのつながりは、変化や移行の時期に重要な支えとなることがわかった。そして、最もスコアの高い政府機関がNASAだった。長期的に物事に挑戦し続けるには、すべての従業員が、自分のしていることが大きな目標をどのように支えているかを認識している必要がある。
これは、組織が大きな成長を遂げている場合や、逆にパンデミックの影響で苦境に立たされている場合には、とりわけ重要なことかもしれない。あなたは大きな変化が起きている時に、従業員に明確なパーパスやミッションを与えて、刺激を与えることができるだろうか。
幼児が安心感を得る毛布のように、ミッションは人々に親密感と安心感を与えることができる。物事が不確実な時に人々が理解でき、それに向かって努力できる何かだ。