Illustration by Fabrizio Lenci

目標に向かってエネルギーを集中投下し、短期間で成果を出すことが成功への近道だと、あなたは考えているもしれない。だが、人間は活動と休息を繰り返すようにできている。休みなく走り続ければ、燃え尽きたり、急激にダウンして何もできなくなったりする。最低限のラインを下回れば、成功ははるかに遠ざかるだろう。重要なのは、力強いスタートを切る瞬発力ではなく、その力強さを維持する持久力にあると筆者は指摘する。本稿では、自分のエネルギーを管理することで持久力を高め、成功への旅路を前進し続けるための4つのステップを紹介する。


 短期的にエネルギーを集中投下し、精力的に取り組むことは、ほぼ誰にでもできることだ。たとえば、新しい仕事に就いてから数週間は、周囲から好印象を得るために努力を続ける。新年の始まりから、熱心にジム通いを始める。テレビ番組でリフォームの実例を目にすると、週末は自宅の大改造に時間を費やすようになる。こうしたことは、誰でもできる。

 だが、最初に瞬発力を発揮した「その後」はどうだろう。新たな仕事や目標、プロジェクトに着手してから数カ月、あるいは1年が経過したいまも、同じ気持ちでいるだろうか。

 壮大な野望を諦めてはいないか。倦怠感やバーンアウト(燃え尽き)の兆候と戦いながら、前進し続けているだろうか。あるいは生産性が極めて高い時と、何もできていない時の間を激しく行ったり来たりしていないだろうか。

 実際、仕事や人生で成功するカギは、力強く始めることではなく、その力強さを維持する持久力にある。そして、この持久力を得るカギの一つが「自主調整」(セルフレギュレーション)という概念だ。

 一定期間内(1日または1週間など)に、特定の目標に向けて行うアクションの最小量と最大量をあらかじめ決めておき、活動の上限と下限の範囲内で物事を行う。そうすることで、途中で諦めたり興味をなくしたりして脱落する、あるいは過度な負荷により疲れ果て、継続できなくなるといった事態を防ぐことができる。

 筆者は時間管理のコーチとして、この持久力を生み出すには4つのステップが欠かせないと考えている。この手順を実践すれば、より少ない労力でより多くの目標を達成できること、そして自分のやる気が持続することにあなたは驚くことだろう。