●休息と回復を組み込む

 人間は、活動と休息を繰り返すようにできている。だからこそ私たちは夜眠り、生産的な1週間を過ごすためには週末が欠かせず、一流アスリートでさえ目覚めている時間ずっと練習を続けることはできない。

 ハイギア型の場合は、休息と回復の時間を計画的に自分に課す必要があることを、常に意識しなければならない。筆者は、どちらかというとこのタイプに当てはまるため、プライベートの時間は、仕事の時間のように予定を詰め込まないようにしている。筆者にとって、仕事以外の時間は個人的なタスクを行うための時間だけでなく、休息の時間でもあるのだ。

 たとえば、朝5時15分に起きて泳ぐことを日課としているが、週2日は例外にしている。その代わり、人生について考えたり、興味深い記事を読んだり、単にゆっくり眠る時間を自分に与えている。また、週末や夜は意識的に時間を確保し、時間制限なしで人と交流することを心がけている。流れに任せ、必要なことに必要な時間がかかるのをよしとしているのだ。

 ローギア型の場合は、少なくとも活動の下限に達していることを確認してから休憩することが欠かせない。つまり、十分な休憩を取るのは構わないが、それはあくまで目標を達成した後に限る。

 変則型の場合は、絶好調で24時間休みなく働ける気がする日でも、休息と回復を忘れず、翌日ダウンしないようにする。これには、食事の時間をきちんと取る、デスクを離れてストレッチやウォーキングをする、どれだけエネルギーが余っていても夢中になって夜遅くまで働かないといった基本的なことも含まれている。寝るべき時間になったら強制的に仕事をやめ、翌日リフレッシュして仕事を始められるようにしなくてはならない。

 ●一息つく余裕を自分に与える

 持久力を得るには、持続可能な範囲内で仕事を続けること、そして持続可能なペースで仕事をすることが必要だ。立て続けの会議が避けられない日や、次から次へとタスクをこなさねばならない日はある。だがほとんどの人にとって、このやり方では長くは続かない。

 もし可能であれば、会議のない時間を少なくとも1日数時間、あるいは1週間に数時間でも確保することをお勧めしたい。さらによいのは、大規模なプロジェクトを遂行するための時間をまとめてカレンダーを入れ、予定をブロックしておくことで、厳しい時間制限のプレッシャーなしに、仕事に没頭することが可能になる。

 筆者の場合、水曜日は「コーチングの電話を受けない日」にして、この目標を実現している。そうすることで、本稿執筆のような特定のプロジェクトを完遂できている。水曜日は毎週「プロジェクトの日」として、カレンダーを全日ブロックしているため、誰も筆者との会議を予定に入れることはできない。

 さらに、ディープワークに専念したいと考えている日に、在宅あるいはプライベートな場所で仕事ができれば、じゃまされることがなく、仕事に集中できる場合が多い。

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 人生は、短距離走ではない。いまも、そしてこれからも続いていく旅路だ。仕事でも仕事以外でも、高いパフォーマンス、健康、そして幸せを維持するには、持久力が欠かせない。自分の仕事の仕方を検証し、本稿で紹介したステップに従って、自分が効果的かつ生産的、そして自分の限度内で確実に仕事をできるようにする。


"4 Ways to Manage Your Energy More Effectively," HBR.org, May 14, 2021.