●自分の「ポッド」を確保する
パンデミックが猛威を振るっていたさなか、仕事を山ほど抱えながら、子どもの世話や在宅教育に追われ、社交の機会もないという状況で、私たちの多くは「ポッド」(さや)の概念を取り入れた。
感染リスクを極力減らすために、安全につき合えて、食事の準備を分担でき、子どもを互いに預けられる1~2家族とポッドの中で生活する。多くの人がこれを自然なことだと感じたのは、実際にそれが自然なことだったからだ。つまり、既存の村落の小規模バージョンだったのだ。
子育ての控え選手という観点から、このポッドという考え方を維持しつつ、1つだけ変更を加えるのがよいだろう。これまで同様に、コミュニケーションは意識的に行う、すなわち自分の期待やニーズを明確に伝えるが、すべてのニーズを満たす1家族に限定するのではなく、もう少し融通をきかせるようにする。
ポッドを拡大して複数の家族を交えることで、一緒に交流したり、食事の用意を分担したり、土壇場で子どもの面倒を見てもらう必要が出てきた時に助けてもらったりするなど、さまざまなニーズに対応できるようになる。それぞれの家族と、どのような形で助け合うのが理想の相互扶助かを話し合うとよい。
たとえば、火曜、木曜、金曜の食事は助け合うと決め、火曜と木曜は1つの家族が夕食を用意して他の家族に届け、金曜日は全員で一緒に食事をする。週末の午前中は、子どもの世話を交代で行うのもよい。それぞれの家族が交代で、土曜か日曜の午前8時から正午まで子どもを預かるのだ。
同じ方法は、子どもの面倒を見てくれる人が見つかりにくい平日の放課後にも使える。午後3~6時まで、交代で子ども全員の面倒を見るのだ。
互いに助け合い、交代で子育てする仕組みを構築するには、さまざまな方法がある。カギとなるのは、それぞれの家族のニーズが何かを明らかにし、ポッドの中の全員が合意を形成することだ。