
オフィス再開と同時にハイブリッドワークが導入されると、新たな問題が生じる。リモート勤務を続ける場合、オフィスに出社して上司と顔を合わせながら働く同僚に比べて、貢献が見えづらくなることだ。そうなれば、キャリアや昇進の機会にも差が出る可能性がある。そこで、リモートでも自分のビジビリティ(可視性)を確保することが重要になる。本稿では、職場におけるパーソナルブランディングの観点から、自身の貢献に目を向けてもらい、確固たる評判を維持するための4つの戦略を紹介する。
全員がリモート勤務の環境では、誰もが同じ状況に置かれているため、パーソナルブランドをマネジメントする点では平等だ。しかし、勤務形態がハイブリッドへと移行し、多くの従業員がオフィスに戻り始めると、新たな問題が生じる。
それは、あなたが勤務時間のすべて、あるいはそのほとんどをリモートで働く場合、自分のビジビリティ(可視性)をどうすれば保つことができるかという問題だ。オフィス勤務に戻った同僚のほうが、上司と接触する機会ははるかに多いことを考えれば、キャリアや昇進に役立つ可能性のある何気ない情報を得る機会も自然と増えるはずだ。
筆者は約10年間にわたり、職場におけるパーソナルブランディングについて研究を重ねた結果、4つの重要な戦略を見出した。リモート勤務をしていても、職場で長時間上司と顔を合わせている同僚に劣らぬビジビリティと確固たる評判を維持するための戦略である。
●リモート勤務のネガティブなイメージを覆すために、期待以上の成果を出す
コロナ禍の間に、これまで在宅勤務(WFH)につきまとっていた偏見が目に見えて減ったのは事実である。多くの知識労働者が、在宅勤務をみずから経験する機会があったからだ。
しかし、オフィスに戻れば、リーダーが過去の判断基準に戻ってしまうことも十分考えられる。つまり、自分たちが直接監視できない従業員は仕事を怠けているかもしれないと考えるのだ。
したがって、リモート勤務をする場合には、自分が「全幅の信頼を置くに値する人物だ」という印象形成に重きを置くことが欠かせない。
これには、締切を守ることや仕事を予定より早く完遂させることが含まれる。たとえば、マネジャーに緊急のレポートを書くよう頼まれた時、そのレポートをシンプルなメールに添付して送信すればよいわけだが、次のように書くことで、あなたの貢献を際立たせることもできる。
「ジュリー、約束通り、ABCレポートを添付にてお送りします。正式な締め切りは木曜日ですが、早めにお送りしますので、必要に応じて修正する時間もあるかと思います」
このような言い方は、あまりにも頻繁に使えば効果がなくなる。あなた自身も、媚びへつらっていると思われたくはないだろう。だが、頻度を限って使うことで、窮地でも期待に応える能力を際立たせることができる。
さらに、「約束通り」という短いフレーズはたいていの場合、コミットした通りに行動していることを強調するのに有効だ。