
新型コロナウイルス・ワクチンの開発に成功したことで、一時は新型コロナウイルス感染症のパンデミックは終息に向かうと思われた。しかし、ワクチンがなかなか普及せず、その中で変異体「デルタ」が流行したことで、終息までに相応の時間がかかることを覚悟しておく必要がある。本稿では、企業が成長と繁栄を続けながら、従業員と顧客と地域コミュニティを守るという難しい義務を果たすための具体的な対策を紹介する。
極めて感染力が強い新型コロナウイルスの変異体「デルタ」の流行により、米国では再び感染者数と入院者数が増えている。その傾向は、米国内のワクチン接種率が高い地域でも見られる。変異体の流行に伴い、近い将来にコロナ禍が終息するという希望は薄らぎつつある。
デルタは過去の感染やワクチン接種による免疫の一部をすり抜けて感染するようだ。しかも、世界全体で見るとワクチンはまだ十分に普及しておらず、さらに手ごわい変異体が今後出現する可能性も高い。そのため今後何カ月も、いやこの先何年にもわたり、新型コロナウイルスの感染者が散発的に確認されたり、時折感染拡大が起きたりすると覚悟しておいたほうがよさそうだ。
企業が成長と繁栄を続けつつ、従業員と顧客と地域コミュニティを守るという難しい義務を果たすためには、どうすればよいのだろうか。
幸い、ウイルスが変異を遂げているだけでなく、企業も感染拡大防止のための戦略を磨き上げてきた。企業は創造性を発揮し、状況に即して臨機応変に対処するためのアプローチを採用することで、目の前の脅威を抑え込むと同時に、今後の感染拡大にも対処できる。本稿では、企業が実践できる基本的な対策を紹介する。