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初めての出産を終えて職場に復帰するのは、多くの不安がつきまとうものだ。なかでも職場での搾乳については、置かれている状況が個人によって大きく異なり、すべてゼロから学ばなければならず、ストレスを感じることが多い。職場での搾乳という目標を達成するには、自分がどのようなリソースを利用できるかを把握し、慎重にスケジュールを組むことが欠かせない。本稿では、周囲のサポートを得て、職場で搾乳するためのコツを紹介する。


 ジェシカは民間の理学療法グループに属し、しっかりとしたロイヤルティの高い顧客ベースを持つ理学療法士だ。第一子の出産後、仕事に復帰した時は予約デスクと調整して、1日2回、それぞれ30分間の搾乳時間をつくってもらった。

 その時間になると、ジェシカは診療室のドアに椅子を固定して搾乳をする。そのドアには、カギがついていなかったからだ。ジェシカの報酬は、診療した人数で決まることになっていたため、搾乳時間を取ることで対応時間が減り、収入減につながった。

 一方、ケイトは仕事熱心で優秀なエグゼクティブである。妊娠中も第一子の出産後も、とても温かく、思いやりのある職場に助けられた。

 会社に復帰すると、母乳育児を支援するラクテーション・コンサルタントの助けが得られたほか、さまざまな機器が用意され、搾乳は個室でカギをかけて対応できるように準備されていた。誰よりも同僚や上司がケイトを応援してくれて、ケイトが自分の経験をポジティブなものとして感じられるようにしてくれた。

 第一子の出産後に仕事に復帰するのは、それだけでもさまざまな問題が伴うが、職場での搾乳は、学習曲線のゼロから学ぶようなものだ。その経験は人によって異なる。あなたの経験がジェシカに近いか、ケイトに近いか、あるいはその中間だとしても、職場での搾乳には難しいロジスティクスの問題が伴い、ストレスになることも少なくない。

 職場で搾乳デビューを果たす母親が成功するための最良の戦略は、十分な準備をすることだ。自分がどのようなリソースを利用できるかを把握して、慎重にスケジュールを組むこと。そのどちらも欠かせない。

「職場で搾乳する」という目標を達成するために、周囲のサポートを得て、ストレスを軽減するためのコツをいくつか紹介しよう。