
リモートワークやハイブリッドワークを継続して、バーチャル会議のメリットを享受する企業が増えている。ただし、チームの中に敬意や礼節を欠く振る舞いをするメンバーがいると、特に女性や人種的マイノリティの疎外感がますます高まり、パフォーマンスが損なわれる危険性がある。このようなインシビリティの悪影響は、相手の真意を理解しにくいバーチャル環境でいっそう生じやすいものだ。本稿では、マネジャーが適切に介入し、インシビリティを防止するための5つのポイントを紹介する。
多くの企業がある程度の対面業務に戻り始めている一方で、多くの企業が一部または全面的にバーチャルオペレーションを導入することになるだろう。
グーグル、アマゾン・ドットコム、マイクロソフトは、すでにハイブリッドな労働力を確保する計画を立てている。筆者らも学術の世界において、遠隔地にいる人が参加しやすくなることで出席率が高くなるというバーチャル会議のメリットを実感している。ただし、リーダーはサイバーワークを長期的に採用する前に、その社会的影響を(良い意味でも悪い意味でも)理解しなればならない。
特に関心が高いのは、多様性に富むチームがオンライン環境でどのように集まり、つながりを築いて、効果的に協働できるかという点だ。差別的なインシビリティ──女性や人種的マイノリティなど社会から疎外されているグループの従業員が経験する微妙な侮辱、妨害、無視といった敬意や礼節を欠く振る舞い──に関する筆者らの研究から、そうした行為がパフォーマンスを損ない、チームの機能を低下させることがわかっている。
オンラインのチームミーティングやチャットルーム、チーム管理スペースなどのバーチャル空間は、敬意を欠いた行為を助長する機会になり、こうした陰湿な振る舞いの影響を特に受けやすい。マネジャーはすべての人の声とさまざまな貢献を受け入れる空間をつくるために、オンライン上でインシビリティが現れる過程を十分に意識する必要がある。