●コラボレーション
マイクロソフトでは、従業員がオフィスに戻りたいと思う最大の理由は、コラボレーションと社会的つながりだ。
しかし、チームの他のメンバーが在宅勤務をしている日にオフィスに行っても、そうした対面の交流をすることはできない。ハイブリッドワークの生産性を高めるためには、個人のワークスタイルとチームのニーズの間で妥協点を見つけることが重要だ。
その方法の一つが、チーム内で取り決めをすることだ。マイクロソフトでは、各チームにハイブリッドな職場でどのように一緒に働くかを定義したチーム規範を作成してもらっている。
各メンバーは自分のベストな働き方を共有し、チームは会議のない日を設定したり、定期的に対面のチーム会議を計画したりすることができる。あるメンバーがフレキシブルに働いていることで、別のメンバーが勤務時間外にメッセージをやり取りすることにならないよう、マネジャーは応答が求められる時間帯に関する規範を設けてもいい。
ハイブリッドな会議では、可能な限りインクルーシブかつ計画的に実施することも重要だ。挙手の機能を使って全員に発言の機会を与え、チャットを使用する場合は会議の議長とは別のモデレーターを置いて、チャットをフォローし、重要なテーマを盛り込むようにする。こうした措置は、リモートの人が会議室にいる人よりも経験が浅い場合、特に重要だ。
マイクロソフトでは他にも、リモートの参加者が会議前の雑談に加わることができるよう、対面の出席者には会議室に到着したらすぐに参加してもらうといった試みも行っている。また、リモートの参加者から顔がよく見えるように、対面の参加者は各自のノートPCで参加することもある。
従来の生産性の定義の下では、個人のワークスタイルに合わせてチームのコラボレーションを調整したり、会議のやり方を変えるべきかどうかを真剣に考えたりするのは、不必要で手がかかる、あるいはやっかいなこととすら思われていたかもしれない。しかし、新しい生産性の定義に基づけば、これらは必要不可欠だ。