新たな定義に関する取り組み
調査結果に基づき、ハイブリッドな社会で、マネジャーが生産性についての考え方を広げることのできる方法を紹介する。マネジャーとチームのウェルビーイング、コラボレーション、イノベーションを促進させるものだ。
●ウェルビーイング
多くの人がバーンアウト(燃え尽き)を感じているが、ハイブリッドな環境はより持続可能な仕事の方法を生み出す機会を提供する。リモートワークと対面での働き方には、それぞれ異なる長所と短所があり、同じ結果を期待するのではなく、それぞれの特徴に基づいて進めることができる。
オフィスでは、人間関係や、ホワイトボードを囲んだブレインストーミングなどの共同作業を優先する。在宅勤務の際は、家族、フィットネス、趣味など、他の優先事項を含めて一日を設計するよう従業員に勧めよう。
必要であれば仮眠を取り、会議の合間には外に出ることも重要だ。脳に関する複数の研究によると、リモートでの会議の合間に5分間の休憩を取るだけでも、頭が冴え、ストレスが軽減される。
それぞれの働き方のリスクにも注意しなければならない。従来のような長時間の通勤を避けるために、交通渋滞にはまらないようにスケジュールを調整することができる。家庭では、可能であるがゆえにいつでも仕事をすることがないように、境界を設けるよう促そう。
問題は、それぞれの人に合った方法を見つけることだ。筆者らの研究の主要なテーマは、リモートワークがそもそも効果的かどうか、またどのように効果的なのかは、個人差が非常に大きいということだ。
勤続年数、住んでいる場所、性別、人種、役割などによって、人々の経験は異なる。また、同じような背景を持っていても、一人ひとり異なる経験をしている。たとえば、マイクロソフトの従業員の中には、ワークライフバランスやフォーカスタイムをオフィスに行く理由として挙げる人もいれば、同じことを在宅勤務をする理由に挙げる人もいる。
今後数カ月に、いつ、どこで仕事をするのが最も生産性が高いと感じるか、あるいは最も生産性が低いと感じるかを従業員に振り返ってもらおう。「朝と夜、どちらのほうが仕事がはかどるか」「どこで仕事をしている時、じゃまが少ないか。集中できているか」と自問してもらう。