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いまの仕事に満足できず、もっと意義のある仕事に就きたいと職探しを始める。だが、フルタイムで多忙な業務をこなしながら、家族との生活を維持し、さらにはコロナ禍がもたらした新たな生活様式の中でキャリアを前進させようとするには、多くの労力が必要となる。感情の揺れ動きを伴う過酷な転職活動において、常にエネルギーを絶やさず、理想の仕事を手に入れるまでモチベーションを維持するには、どうすればよいか。コーチングとチェンジマネジメントの観点から取り入れるべき5つの原則を紹介する。


 筆者のクライアントの一人であるフレッドは、自分がいまの仕事に満足していないことに気づいた。そこで、もっと意義のある仕事を見つけようと考えて、転職先を探し始めた。

 数日後には、週に何社もの企業の面接を受けていた。1回の面接の準備に何時間も費やしながら、会社ではフルタイムで仕事を続け、大きなプロジェクトの指揮も執っていた。

 仕事量が常軌を逸するまでに達すると、彼は何度も「もう疲労困憊だ」と口にした。時には、その時点で面接を受けている会社からオファーが出なければ、転職活動はしばらく断念しようと考えることもあった。

 フレッドの疲弊は理解できる。フルタイムで働き、家族を支え、コロナ禍の新しい生活を乗り切るだけで疲れ果てているのに、さらに転職活動を始めたり、キャリアチェンジについて考えたりする気力を奮い起こすのは難しい。

 たとえ最善の時であっても、過酷さを感じる転職活動において、最後までモチベーションを維持するためには、コーチングとチェンジマネジメントに関する以下の5原則を取り入れることをお勧めしたい。