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対面での仕事が再開して、久し振りに同僚と顔を合わせて働けることに喜びを感じる人もいれば、しばらく会っていなかった相手や新しい同僚との会話がぎこちなく不安を感じる人もいるだろう。職場の人間関係を再始動して、パンデミック前よりもよい関係を築くには、ソーシャルスキルの基礎である「調和」が欠かせないと筆者らは主張する。自分の心と体の状態を意識しながら、相手に同調してつながる能力だ。本稿では、職場復帰の際に感じる興奮から不安まで、さまざまな感情に対処し、調和をもたらすための4つのステップを紹介する。


 対面での仕事に戻ることは、複雑な感情が入り混じるやっかいなプロセスだ。職場復帰が楽しみでも不安を感じていても、人と接することで、しばらく使っていなかったエネルギーが必要になることは間違いない。

 対面での交流はなぜ、それほどまでにエネルギーを消耗するのか。同僚とのつながりを取り戻すためには、どのようにしてエネルギーを奮い立たすことができるだろうか。

 新旧の同僚とみずからの経験を共有したいと思う人もいれば、この1年半の間に経験したつらい出来事を話す準備ができていない人もいるだろう。2020年2月の時点とは、別人になったように感じることもあるもしれない。

 少なくとも互いの距離が遠くなり、相手のリズムには慣れていないだろう。社会不安を抱えている人にとっては、いっそう困難な状況だ。

 さらに、パンデミックの間に採用された、これまでバーチャルでしか知らなかった新入社員と親交を深めるのにもエネルギーが必要になる。あるいは、あなた自身が入社したばかりで、実際の現場でチームにどのように溶け込めばよいか、不安を抱いているかもしれない。

 パンデミックが始まった時と同様に、対面での仕事に戻るのにも調整期間が必要だ。対面での仕事に求められる社会的刺激の急増に耐えられない人もいるかもしれない。

 その結果、以前であれば、たいしたことではなかったはずの会話や仕事に集中することが難しくなっても、驚くことではない。