●神経系を整えるための時間を取る

 次の会議が始まる直前に少し時間を取って、あごを引き、頭が上から優しく引っ張られるような感覚を味わう。首もゆるやかに伸びているように感じるはずだ。そして、肩の力を抜く。息を吸ってお腹を膨らませ、息を吐いて元に戻す。そうして、周囲の環境に耳を傾ける。

 これらのステップは神経系を鎮めて、気分を落ち着かせるので、目の前の瞬間に集中することができる。他者に注意を向けることができるようになるため、常にデジタル機器に気を散らされる世界においては、貴重なスキルだ。

 筆者らも重要な会議に臨む前には、このステップを踏んで「リラックスした意識」の状態をつくり、自分の心配事や緊張感に囚われず、相手に集中できるようにしている。

 理想的には、これを日頃から実践してほしい。そうすれば通常業務の中であったとしても、職場で感情的になった時には、即座にこれを実行できるようになる。

 ●相手の声、そして自分自身の声に耳を傾ける

 相手の言葉やしぐさに注意を傾ける。少なくとも1分か2分は、相手が言っていることや表現していることを、自分にとって最も重要なことだと考えるようにする。

 相手の話を聞きながら、時折、自分自身にも意識を向け、感情から体の感覚まで、自分が何を感じているかを意識する。

 自分が緊張していると感じた時には、1つ前のステップに戻り、肩の力を抜いてリラックスし、意識しながら呼吸をする。そして、相手に注意を戻そう。特に自分が緊張していたり、自身の考えに囚われていたり、気が散っていたりする時には、聞くということは驚くほど難しい。

 しかし、これらのステップを日頃から実践すれば、上司や同僚から何を言われるのかと不安を抱いたり、会話の結果に気を取られることで相手を誤解したりすることなく、相手の話を明確に聞き取ることができる。