対面での仕事の人間関係を再始動し、パンデミック前よりもよい関係を築くためには、人と人とのつながりの基本に立ち返ることが有効だ。

 筆者らは2021年に出版したMissing Each Other(未訳)の中で、最も基本的なソーシャルスキルの一つである「調和」について考察している。すなわち、自分の心と体の状態を意識しながら、他者に同調してつながる能力だ。それは、時として予測不可能で紆余曲折する交流の中で、自分の感情と相手の感情の両方に「同調」し、「同期」する力である。

 これは、職場でも個人的な人間関係でも継続的に役立つスキルだ。同書では、次のように説明している。

「調和は、単に他者との濃密な感情的つながりを育むためのものではなく、他者からのコミュニケーションを理解し、自分のメッセージを伝えて相手に理解してもらい、対立を解決することを可能にするユニークな力だと考えるべきだ」

 筆者らは日常的に、自閉症スペクトラムの問題を抱える青年期および成人期の人々に対して、社会的つながりを形成・維持するための支援を行っている。その中で、ソーシャルスキルの基礎である調和に焦点を当てることは、人との交流の質を向上させるために極めて有効であることがわかっている。

 また、これは自閉症スペクトラムに限らず、筆者らも含めて、ほぼすべての人に役立つ。調和は4つの要素に分けられ、いずれも日常的に実践することでそのスキルを向上させることができると、筆者らは考えている。

 以下に紹介する4つのステップは、対面での仕事に復帰する際に感じる興奮から不安まで、さまざまな感情をコントロールするのに役立つ。

 また、相手が自分に伝えようとしていることに耳を傾け、理解する機会を増やすことで、コミュニケーションがより効果的になるだろう。逆に、自分が相手に何か伝えようとする時も同様だ。特に、ぎくしゃくした会話や困難な会話において、相手と調和した状態を維持する能力を高めることができる。