リラーニング

 リラーニングとは、自分の強みの活かし方は常に変化しており、自分の可能性は常に発展途上であると認識することだ。定期的に自分の能力を再評価し、現在の状況に合わせてどのように適応させるべきかを考える必要がある。

 たとえば、コラボレーションの重要性は変わらないが、あなたはハイブリッドワークの世界で、その方法をリラーニングしているかもしれない。キャリアチェンジをして、新しい環境で自分の能力を応用したらどうなるか、リラーニングしている人もいるだろう。以下は、変化に直面した際に敏捷性を維持するために、リラーニングを活用する3つの方法だ。

 ●強みを伸ばす

 自分の強みを強化する方法の一つは、できるだけ多くの異なる状況でそれを使うことだ。同じように使うことに慣れすぎると、成長は止まってしまう。

「強みによる解決」は、日常の仕事以外の場面で、自分の強みを活かしてサポートを提供し、問題を解決する方法をリラーニングすることだ。自分のネットワークや、ボランティアをしている団体、あるいは副業の場かもれしない。

 たとえば、筆者らのワークショップに参加したCMディレクターは、自分の創造性を本業だけでなく、ロックダウン中に始めて成功を収めているブラウニーのビジネスにも活かしている。

 ●新しい視点のフィードバックを得る

 自分のスキルを他者の視点から見ることは、リラーニングの機会を見つけるのに役立つ。フィードバックを求めることで、自分が成長するうえで見落としていたポイントに気付き、みずからの成長をコントロールすることができる。

 リラーニングが目的の場合、相手から率直なフィードバックを安心して提供してもらうためには、「『さらによくなる』質問」を提示することが特に有効だ。たとえば、「どうすれば私のプレゼンはさらによくなるか」「どうすればチームミーティングをさらによいものにできるか」「私のパフォーマンスをさらによくするには、どのような方法があるか」というものだ。

 ●レジリエンスをリラーニングする

 リラーニングにはレジリエンスが必要で、自分の進歩に悲観的になると、諦めてしまいたくなるかもしれない。うまくいっていることに焦点を当て直すことで、前に進み続けることができる。

 1日の終わりに「非常に小さな成功」を3つ書き出すことを2週間続けよう。成功体験はプライベートでも仕事でもかまわない。最初は発見するのが困難かもしれないが、続けるうちに容易になる。

 小さな成功は、誰かにフィードバックを求めたり、同僚のプレゼンの準備を手伝ったり、あるいは幼い我が子に野菜を食べるよう促すことでもよい。2週間後に42個の小さな成功を得ることで、困難を感じる時も、自分の成長のために投資し続けるモチベーションと勢いを生み出すことができる。

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 自分のキャリアがどのように発展するのか、仕事の世界が将来どのようになるのかは、予測することができない。ラーニング、アンラーニング、リラーニングをする力に投資することで、変化がもたらす機会への対応力と、その過程で経験することが避けられない課題に対するレジリエンスを高めることができる。


"Make Learning a Part of Your Daily Routine," HBR.org, November 04, 2021.