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新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着くまで転職を控えていた人が動き出し、米国はいま「大退職時代」(グレート・レジグネーション)を迎えている。空いたポストを埋めるために、採用活動に必死になる企業は多い。しかし、「誰でもいいから」と資質を満たさない人材を雇用すれば、いまいる従業員の負担や不満が増し、さらなる離職を招く可能性もある。本稿では、適切な人材を採用するために見極めるべき4つの特性を紹介する。
「大退職時代」(グレート・レジグネーション)と呼ばれる労働者の大量流出が続く中、「求人中」の知らせが至るところで見られるようになった。
ポストの空席は現在のスタッフの負担を増やし、不満や燃え尽き症候群(バーンアウト)を悪化させて、さらに空席が増えることも少なくない。ただし、やる気があれば誰でもいいという衝動は、間違った採用がさまざまな影響をもたらしかねないことを考慮して、踏みとどまらなければならない。
「誰も雇わない」ことも「誰でもいいから雇う」ことも悪影響になりうる時、理想的ではない候補者を思い切って採用するか、それともよりよい候補者が見つかるまでポストを空けておくべきなのか。マネジャーはどのように判断すればいいだろうか。
一般的には、最低限の資質を持つ(かつナルシシストではない)人を探す、という助言になるだろう。しかし筆者らは、適切な人材を採用するにあたり、既存のチームに最も大きな影響を与える4つの特性に注目する。それぞれの特性の要点と、人手不足が続くあいだに現在の従業員をどのようにサポートするかを説明する。