フォローアップを行う

 ●謝意を伝える

 面接官にメールや短い手紙を書こう。手書きの手紙のほうが有意義で、記憶に残るという意見もあるが、相手に届くまでに時間がかかり、先方がすぐに決断を下す場合は不利になる可能性があると心に留めておくこと。

 内容は簡潔にして、面接時に会社について学んだことを具体的に1つ挙げる。もし回答に失敗した質問が1つ(もしくは2つ)あったと心配しているなら、この機会にそれをみずから認識していると示すことができる。謝罪する必要はないが、重要な質問に対してわかりにくい回答をしてしまったことを明示するとよい。そして最後に、関心を持ち続けていることを伝える。

 以下は、アート・マークマンによる参考例だ。

[マネジャー]様

 昨日はお時間をいただき、[仕事]に対して私が関心を持っていることや、私が適していることをお伝えする機会を与えていただき、誠にありがとうございました。特に、貴社が新入社員のために、さまざまな部署やキャリアパスの概要を説明する研修プログラムを設けていることを知り、大変嬉しく思いました。 

 ご連絡をお待ちしております。

 ●連絡する時は思慮深く

 伝えられた期間内に返事が来なかった時、どうすればよいのか。まず、慌てないことだ。このような決定はさまざまな理由で遅れることがあり、その多くはあなた自身とは関係がない。もう1週間待って、それでも返事がない場合は、その仕事に対する熱意を伝える短いメールを送る。

 アート・マークマンの参考例をもう一つ紹介しよう。

[マネジャー]様

[日付]に受けた[職種]の面接について伺いたく、ご連絡しました。何かお知らせいただけることがありましたら、ご連絡いただけますでしょうか。お話をして、貴社について理解を深めることができ、大変嬉しく思いました。私が就職活動中に関わった企業の中で、特に御社の人材開発の取り組みに感銘を受けました。そのような成長志向は私のキャリア目標に合っていると感じました。

 私が追加で提供できる情報がありましたらお教えください。[会社]で一緒に働かせていただくことを楽しみにしております。

 返事を待っている間は、友人や同僚と一緒に過ごすなど、前向きなことに集中しよう。別の仕事の機会を得る方法について相談するとよい。結局のところ、組織が方向性を変えたり、採用を凍結したりするなど、あなたが採用されない理由は数多くあるため、選択肢を広げておくことが大切だ。

 ●求職活動中の感情をマネジメントする

 求職活動は、感情的に浮き沈みの激しいプロセスであることを忘れてはいけない。二次面接や採用マネジャーからの前向きな返信など、励みになる連絡が来る日もあるだろう。しかし、誰からも連絡がない日や、採用されると確信していた仕事を断られる時もある。

 この点についても、アート・マークマンが賢明なアドバイスをしている。結果にこだわらず、プロセスを大切にすることだ。

 目標を定めるべきではないという意味ではなく、具体的な活動に集中するようにする。求人情報をチェックし、自分の経験に合うポジションに応募する。対面式やオンラインのネットワーキングイベントに参加して、雇用者になる可能性がある人と知り合う。友人や同僚と話をして募集情報を知る。スキルアップのための講座を受講するのもいい。

 このような行動を取ることで、最終的な目標に向かって少しずつ前進しながら、フラストレーションが解消されることが期待できる。そして、どうすることもできない感情がこみ上げてきた時に整理できるように、友人やキャリアコーチ、セラピストなど、相談できる人を見つけておくことだ。

 おそらく最も重要なことは、自分の価値は、どんな仕事を得るか、あるいはどれだけ不採用になるかによって決まるのではないと理解することだ。人生には、仕事以外にも大切なことがたくさんあるのだから。


"How to Find a New Job: An HBR Guide," HBR.org, January 12, 2022.