第2の質問:リーダーの個人的ストレスにどう対処するか

 組織がかつて遭遇したことのない問題に直面した時、リーダーはどうすれば燃え尽きたり諦めたりすることなく、解決策を導き出せるだろうか。課せられた役割が日に日に大きく、難しく、手に負えなくなっていくように感じられる時、どうすれば自分自身を支えることができるだろうか。

 これらの問いに対する答えは、自身のリーダーシップスタイルを見直すことから始まる。また、100年以上前のリーダーシップに関するインサイトを再発見することも、助けになるはずだ。

 20世紀初頭から「マネジメントの予言者」としてその名を知られる一方、しばしば過小評価されるメアリー・パーカー・フォレットは、リーダーを、人々を支配する「パワー・オーバー」型リーダーと、人々とともにある「パワー・ウィズ」型リーダーに区別した。「これは常に、私たちについて回る問題だ。いかに人々をコントロールするかではなく、いかに全員で力を合わせて状況をコントロールするか」というフォレットの言葉は有名である。

 スティーブン・ミラーはロイヤルダッチシェル(現シェル)の最高経営幹部として伝説的な業績を残したが、彼の事業部門は機敏な業務遂行と飽くなきイノベーションの両方で知られていた。ミラーは、パワー・オーバー型よりパワー・ウィズ型を重視する「草の根リーダーシップ」モデルを支持していた。

 彼の多彩なリーダーシップ手法の一つは、バスをチャーターして、さまざまな階層や職能を持つ従業員を連れて顧客の施設を訪問し、徹底的に視察するというものだった。視察を終えるとバスに戻り、そこで見たことを従業員と話し合った。当然ながら、一人ひとりが目にしたものは、それぞれの仕事や自身のあり方によって異なっていた。

「集団として学び、問題を解決する責任を共有するのです」とミラーは言う。シンプルな考えだが、その意味は深い。ミラーはパワー・ウィズ型のリーダーシップを取ることで、彼自身が燃え尽きることなく、今日のための業務を遂行しながら、明日に向けた変革を起こしたのである。