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在宅ワークやリモートワークが常態化したことで、メールが際限なく届き、ビデオ会議が詰め込まれ、ほとんど休みが取れなくなったことで、従業員のワークライフバランスは著しく低下している。マネジャーは、この重大な問題を解決するために何をすべきか。マイクロソフトでは、データに基づく4つの解決策を実践している。


 2021年を象徴する言葉があるとすれば、それは「圧倒された」だろう。パンデミックが始まって1年半、受信トレイはメールであふれ、会議に埋め尽くされて、人々は疲弊している。

 そして、このデジタル疲れの解決策を探している。筆者もそうだ。マイクロソフトのピープルアナリティクスの責任者として、筆者はデータに注目し、この問題を詳細に調査することに多くの時間を費やした。

 筆者の同僚が、世界中の何百万というマイクロソフトの顧客について、匿名で生産性の傾向を調査したところ、パンデミックが発生して1年の時点で、週にマイクロソフト・チームズで会議をする時間は2倍以上になり、平均的な人の場合は勤務時間外のチャットが42%も増えていた。

 当初は、それがチームのつながりを維持する最善の方法に思われた。しかし、途切れることのないビデオ通話やメールやチャットが「デジタルオーバーロード」になっていることに気がついた。

 マイクロソフトの従業員調査でもウェルビーイングへの影響を確認している。2020年4~11月に、従業員のワークライフバランスの満足度は13ポイント低下した。

 筆者とチームは、ワークライフバランスの満足度が悪化した理由を明らかにした。さらにデータに基づき、現在のハイブリッドな職場環境において、マネジャーと従業員がその状況を好転させるために取るべき行動を特定した。

 筆者らは、次のような問題について考えた。

 従業員の行動パターン、休暇の取り方、従業員調査から何がわかるのか。ワークライフバランスを保ち、従業員が活躍できる環境をつくるために、マネジャーは何をすべきか。やるべきことを遂行したり、時間外労働を避けたりするために、超人的な努力や非現実的な自己管理を必要としない文化をつくるには、どうすればよいのか。