
目標が高いほど奮起する人もいるが、反対に尻込みしてしまう人もいる。あなたが後者であれば、セルフコンパッションの実践が目標達成の助けになる。完璧主義に陥ると、たった一度の失敗を忘れられず、そこから立ち直ることは難しい。しかし、自分の欠点や弱さを認めて、目標に向かう途中で失敗するのは当然だと自分自身を思いやることができれば、再び前進しようというモチベーションが湧きやすい。本稿では、完璧主義を手放すための4つの戦略を紹介する。
「ソーシャルメディアを見ないようにする」
「10キロ痩せる」
「100万ドルの売上げを立てる」
このような目標を掲げて、あなたは奮起するだろうか。それとも、怖気づいて尻込みしてしまうだろうか。
直接的で具体的な言葉のほうが、モチベーションが湧き、やるべきことが明確になり、効果的だと感じる人もいるだろう。一方で、それでは取り組む前から諦めたくなるという人もいる。あなたが後者のカテゴリーに入るなら、セルフコンパッションを実践し、自分自身をもっと思いやる親切な言葉を用いて、目標を表現することが得策かもしれない。
自分を思いやるような語りかけが目標達成の助けになるのには、いくつかの理由がある。1つは、その目標に対してネガティブ感情が芽生えたとしても、そのように感じるのは当たり前だと思えるようになるからだ。不快感を覚えるのは、ヒューマンエクスペリエンス(人間体験)として自然なのだと認められるようになる。
また、セルフコンパッションを通じて、自分を麻痺状態に陥らせる完璧主義を手放すことができる。我々は誰しも間違いを犯すものであり、間違うことが問題ではないのだと、人間の欠点や弱さを認める余裕が生まれるからだ。さらに、セルフコンパッションを実践することで、何を間違ったのかと悩み続けることがなくなり、挫折や失敗から立ち直る力が高まるので目標を失わずに済む。
要するに、セルフコンパッションを実践できるか否かは、目標を諦める(あるいは完全に避ける)か、それとも目標達成に向けて一歩ずつ前進するかの分かれ目になりうる――前に進むために何歩か後退する必要があるとしても、だ。
何から始めればよいのだろうか。筆者の時間管理のコーチとしての実務経験と、目標設定とその結果に関する筆者自身の研究に基づく、以下の戦略を試してもらいたい。