●荷物になるような言葉を捨てる
誰もが過去を持っている。そして、その過去は、未来に何を達成できるのかという自分の認識に影響を与えうる。そのようなネガティブな連想が、目標の表現方法次第で呼び起こされることがある。
「人脈の構築」という目標を掲げるたびに、自分が中身も生産的な成果もない、ぎこちない業務的な会話をしていることに気づいたら、この言葉にネガティブな印象を持つようになるだろう。なぜ「ダイエット」という言葉を嫌う人が多いのか、その理由もわかるだろう。
ワクワクするような目標を設定するために、別の言い方を考えよう。目標でよく使われるバズワードから抜け出し、広がりを持ち、偽りのない表現を用いる。
たとえば、「健康的なライフスタイルを送り、毎日を最高の気分で過ごせるように、活動内容や食べる物を選ぶ」とする。あるいは、人脈づくりを目指している人なら、「毎週、新しい人との有意義なつながりを求め、付加価値を生み出せるように努力する」といった具合だ。
●「やること」を決める
自分にとって最も親切かつ効果的なのは、「やめること」ではなく「やること」に焦点を当てた目標だ。
たとえば、『スタンフォードの自分を変える教室』という本では、ケベック州のラヴァル大学による調査が紹介されている。その調査によると、何を「食べるべき」かに焦点を当てた結果、参加者の3分の2が体重を減らすことに成功し、16ヵ月後も体重を維持できていたという。これは、食事から何を抜くべきかを重視する多くのアプローチよりも、はるかによい結果をもたらした。
この「私は~する」戦略は、人生のあらゆる分野の目標に適用できる。たとえば、「メールに費やす時間を減らす」に代わる目標として、「1日の中で、じゃまされずに集中して仕事に取り組む時間帯を設ける」という目標が考えられる。「夜、テレビを見るのをやめよう」と決めるのではなく、「夕食後は、寝る準備をして本を読み始める」ことを目標にする。
ポジティブな行動目標のほうが耳心地がよいだけでなく、結果を出すという点でもより効果的なのだ。