ニューロダイバース人材と企業をつなぐ仲介会社

 自社単独でニューロダイバーシティ採用イニシアティブを展開できない企業のために、ニューロダイバースな資質を持つ人材と企業をつなぐ仲介事業が、新たなサブセクターとして誕生した。

 このような仲介事業を担うのは民間企業であり、大小さまざまな規模の事業者とパートナーシップを組むことでニューロダイバーシティ労働者のプロトコルを確立し、企業と個人の実際の利用者数も急速に増えている。さらに、このような仲介会社は、成人の非定型発達者の採用システムに起業家精神を持ち込み、この領域にこれまでにないエネルギーと独創性をもたらしている。

 現在、米国で事業展開するニューロダイバース人材の仲介会社は40社を超える。このうち、インテグレート・オーティズム・エンプロイメント・アドバイザーズ、ネクスト・フォー・オーティズム、エボライブリは、2000年代初頭に登場した最古参といってよいだろう。

 さらにここ数年で、オーティズム・スピークス・エンプロイヤー・パートナーシップス、オーティズム・ワークフォース、メリステム、ソースエーブルド、インクルーシブリー、ニューロダイバーシティ・パスウェイズ、ポテンシア、ニューロタレント・ワークス、ザビコンといった会社も登場した。

 ニューロダイバースな資質を持つ労働者が増えるということは、ニューロダイバースな資質を持つ労働者を家族に持つ従業員も社内に増えるということだ。これまで企業パートナーシップを牽引してきたのは、そのような人たちである。

 ニューロダイバース人材の仲介会社が注力する領域はそれぞれ異なるが、各社に共通しているのは、従来の障害者仲介サービスとは一線を画している点だ。いずれも起業家精神にあふれるベンチャー企業で、ビジネスの経験とコネクションを持ち、人材採用や定着のプロセスに関する知識を持つ人々が立ち上げている。

 企業が人材確保に苦労している職種にフォーカスしているという意味で、企業側に立ったサービスでもある。個々の人材仲介は、関係企業との協力関係や職場の構造に沿って行われる。また、企業側の生産性向上を重視し、基本的には出来高払いを採用し、企業から支払いを受ける収益モデルを構築している。