採用側には「キャリアブレイク」の新機能による別の利点もある。再就職希望者がリンクトインの職務経歴欄で「キャリアブレイク」のカテゴリーを利用するようになれば、「キャリアブレイク」でキーワード検索をかけて、自社の再就職プログラムの条件を満たす候補者を特定できるようになるのだ。

「キャリアブレイク」というカテゴリーは、パートタイム勤務や自身のスキルを使わない仕事に就いている不完全雇用の状態を経験した人たちにとって、いっそう有用かもしれない。

 実際、再就職プログラムを実施する企業のほとんどは、求職者に対してキャリア中断の定義を拡大して考えるように促している。時折、コンサルティング活動を行ったり、代替教員を務めたり、主たるキャリアとは無関係の副業をしたりして収入が発生していても、キャリア中断の定義に当てはまる場合があるからだ。

 アイ・リローンチでは、このように収入を得ていた活動期間があるために、自分は再就職プログラムの対象に該当しないのではないかと心配する人たちに対して、自分で判断を下さず、応募しても結果的にプログラムの対象者ではないと判断されるかもしれないが、とにかく応募してみるよう勧めている。

 使い方としては、リンクトインの職歴欄の一番上で「キャリアブレイク」のカテゴリーを選び、そのセクションの説明部分、もしくはすぐ次のセクションで、収入を得ていた活動について記載する。

 リンクトインが「キャリアブレイク」のカテゴリーを追加したことは、非直線的なキャリアを文書に落とし込むのを助ける方法として、最新の進化だといえる。今回の新機能追加に先駆けて、リンクトインは2021年3月、プロフィールのドロップダウンメニューに「主婦/主夫」「育児休暇」を追加したことを発表した。

 筆者は先日、リンクトインのプロフィールページを担当するエンジニアリングリーダーのベフ・エイエニューに話を聞いた。「キャリアブレイク」のカテゴリーを追加することは、前回の「主婦/主夫」の表示に関する議論に比べて、より直感的に理解できるものだったと説明した。

 職歴欄で「キャリアブレイク」を選ぶと、キャリア中断の内容を示すオプションも用意されている。たとえば、「介護」「旅」「リタイア」といった具合だ。職歴欄に勤務先とポジションを書き込むのと同じように、「キャリアブレイク」を選択した場合もキャリア中断期間中の活動を書き込むことができる。キャリア目標に関わる活動であっても、キャリアとは関係ないが重要な経験であってもかまわない。