「キャリアブレイク」のカテゴリーが追加されたことは大きな一歩だが、その利用に警戒心を抱く再就職希望者もいるかもしれない。キャリアの中断は(特にコロナ禍の間は)一般的になってきたものの、マネジャーの中には依然として、一度仕事を離れた人物を採用することに偏見を示したり、リスクだと考えたりする人が多いからだ。

 リンクトインの統計データは、それを明らかにしている。すなわち「世界の採用担当マネジャーの半分(50%)は、キャリア中断が一般的になってきたことを認めているが、およそ60%(59%)は、キャリア中断には依然としてスティグマが伴うと考えている」というのだ。

 アイ・リローンチの調査では、フォーチュン50企業の40%近くが、自社の再就職プログラムを実施している。このようなプログラムが今後も増えると同時に、既存のプログラムが拡大し長期的に実施されれば、組織に占める再就職者の割合はますます大きくなるだろう。そして再就職を果たした人たちは、キャリアを中断した候補者の採用に積極的になる可能性が高い。

 リンクトインは長年にわたり、再就職希望者がずっと連絡を取っていなかった昔の同僚を見つけ、簡単につながれるようにすることで、ネットワークを再構築する手助けを行ってきた。また、8億人のユーザーにとって、リンクトインはキャリアパスを提示するのを助ける強力な役割を果たしている。

 そのリンクトインが、職歴欄に「キャリアブレイク」を正式なカテゴリーとして加えたことは、キャリア中断という判断が標準的なキャリアパスの一部であることを明確にするとともに、キャリア中断の経験そのものに価値を認めるものだ。これは、およそ20年前に再就職プログラムという概念が広がり始めて以来、ゆるやかに進歩を続けてきた中で、ひときわ大きな飛躍といえるだろう。


"A New Way to Explain the Pause in Your Career," HBR.org, March 23, 2022.