意義深いものにする

 意義があることは、特に困難な状況を生き延びるうえで、幸福であることよりも重要だ。実際、生物学的レベルでは、意義の欠如そのものによって困難な状況に陥る可能性がある。

 研究によれば、自分の人生に意義をほとんど感じられない人は、たとえ幸福を感じられていても、「慢性的な逆境に対応している、または耐えている人々」と似た免疫反応パターンを示すことがわかっている。

 リーダーとして、チームメンバーに対し、仕事でも仕事以外でも有意義な活動を行うよう奨励しよう。職場の友人関係を育み、相手とつながる機会を増やす。それぞれのタスクが、組織としてのミッションとどのように関わり、組織は社会全体とどのように関わっているのかを明確に描き出す。自分が人生において何を意義深いと思っているか、そのために時間やエネルギーをどう確保しているかを話題にする。

 同時に、仕事は意義を見出せる唯一の活動でもなければ、最初に取り組むべき活動でもないことを認めることだ。自分のチームに対して、仕事以外で重要な活動やアイデンティティは何かを尋ねよう。そして、あなた自身が仕事と組織のミッションとを結びつけたのと同じように、彼らの仕事をそれらと結びつける。

 たとえば、子どもたちをよい学校に入れるための給与、オーディションを受けるための柔軟なスケジュール、勉強や旅行を続ける機会、子どもとの生活や単身での生活を楽にする福利厚生や割引制度などが挙げられるだろう。

 仕事が人生のすべてを占め、アイデンティティの核を成しているという考え方は、あまりにも20世紀的だ。有意義な人生を送るうえで重要な支えとなり、休むべき時は休むというバランスの取れる従業員によって遂行される仕事。それこそが、21世紀の仕事である。


"Leading an Exhausted Workforce," HBR.org, March 25, 2022.