4 質問に対する答えが明快でない、または一貫性がない
面接プロセスを通してあなたが質問をしたとき、どの程度、明快または正確な回答をもらえただろうか。漠然とした、あるいは一般的な回答か、それとも面接官は、あなたに期待するように、自身も具体例を示したか。「もし具体的で直接的な回答が得られないと感じたら、危険信号です」とペッパーコーンは言う。あなたが必要とする具体的な回答を得られたと感じるまで、さらに掘り下げてフォローアップ質問をすべきである。
面接プロセスでは、あなたがその職務で成功するのに重要な、さまざまなステークホルダーに会うだろう。彼らの視点を理解するために、いくつかの核心的な質問を用意し、一人ひとりに尋ねてみよう。そして、彼らの答えのどの部分については足並みがそろっているか、さらに重要なことだが、どの部分については足並みがそろっていないかに注目する。
すべてのステークホルダーの答えに、それなりの一貫性があることを期待するかもしれない。しかし答えが異なっていても、他者の答えと整合性があり、それを補完して、状況や役割、環境の全体像を示してくれることもあるだろう。ある程度のばらつきは問題ないし、当然のことである。ただし、同じ質問に対して他の人々の答えとは真っ向から対立する、あるいは整合性に欠ける回答があるときは、危険信号と見なすべきである。
5 最初の話と違う
面接を受けている仕事の内容が、あなたが応募するきっかけとなった最初の職務記述書と大きく異なるようになったら、それは危険信号である。
たしかに、変更は起きるものだ。それでも、採用担当マネジャーが明確な形で変更を強調したり指摘したりしないのは、採用担当者が社内外の主要なステークホルダーにうまく変更を伝えたり対処したりしていないことを示唆している可能性がある。
同様に、職務の範囲が変わったことで、急にあなたの興味が冷めてきたら、その点も心に留めておこう。「マネジャーは変化に追われるあまり、『職務記述書には確かにそう記載されていますが、この1カ月でニーズが変わったのです。今、本当に必要なのは、その領域ではなく、こちらの領域に集中できる人なのです』と求職者に説明する余裕がなかったのでしょう」とペッパーコーンは言う。「こうしたコミュニケーションができないとなると、その会社は自分たちのしていることがわかっているのか、心配になります」
6 不適切な質問やコメントをする
米国のショウタイムで放送されている「スーパー・パンプト」シリーズは、ウーバーの台頭と当時の有害なリーダーシップを描いたドラマだ。その中で尊大なブロカルチャー(軽薄で男尊女卑的な文化)を露わにしたのは、ご存じのとおり、面接の最初に創業者のトラビス・カラニックの投げかける質問だった。「あんたはイヤなやつか」。この質問に対する唯一の正解は(その時ウーバーに就職したかったならば)「イエス」だった。これほど明白な危険信号はない。ここまで露骨で無作法な質問をされることはないかもしれないが、面接官が非常に不適切な、あるいは法に抵触するような質問をしたり、不適切なコメントをしたりすることは、十分にありうる。
年齢差別的、性差別的、人種差別的な、あるいはきわめて不快な質問やコメントがあったら、それはその組織がまともな研修をしていないばかりか、悪質な行動を大目に見ている可能性があることを示す明らかな危険信号である。または、採用を含めた人材管理において、無意識のバイアスに対処していないことを意味している。
7 つながりを感じられない
よい面接は、双方向の積極的な対話によって両者の意欲をかき立て、一緒に仕事をする可能性への期待をもたらす。だが、エネルギーやつながりを感じられないとき、また面接官に熱意がなく、笑顔もなく、注意散漫で、まるで台本を読むように機械的に質問し、本気であなたを知ろうとしないというのは、よくない兆候だ。
「相手に熱意がないように見える場合、すでにそのポジションには他の人が内定していて、形だけの面接をしているのかもしれません」とペッパーコーンは指摘する。「面接官がすでにほしい人材は見つかったと思っていれば、面接にあまり熱が入らないことがあります」
同じように、前回の面接と比べて突然、エネルギーやエンゲージメントのレベルが変わることがある。ストークスのクライアントの1人は2回目の面接を受けた後でこう言った。「最初の面接はすごくよかったんです。とても息が合っていたし……。でも2回目の面接は、そうではありませんでした。まったく息が合わなくて、温かさも感じられなかった」。他に意中の人がいるからだと、彼女はすぐに悟った。
急に熱意がなくなるのは、別の望ましい候補者を見つけたという危険信号だと、ストークスは考える。その会社が面接をキャンセルしないのは、ただ自分たちの直感の正しさを確認したいがためなのだ。「その会社が効果的なコミュニケーションの方法を知らないというサインでもあります」と彼女は言う。