
仕事のパフォーマンスは高いが、弱い者いじめを繰り返す同僚。目立つ成果を上げるが、有害な職場環境をつくり出すリーダー。このような「有害なロックスター」は、短期的には利益をもたらすが、組織や従業員に長期的な悪影響を与えることを考えれば、その存在を容認すべきでない。筆者らは、特に有色人種の女性が悪影響を受けやすく、真剣に対処すべきだと指摘する。本稿では、優秀な人材の流出を防ぐために、リーダーが取るべき5つのステップを紹介する。
職場で弱い者いじめを繰り返す「ガキ大将」だが、仕事のパフォーマンスは高い従業員。あるいは、仕事の成果は上げているが、有害な環境をつくり出すリーダー。このような人物に、誰もが心当たりがあるだろう。
職場に「有害なロックスター」がいることで、大半の従業員の職場体験が損なわれ、なかでも有色人種の女性は深刻な影響を受ける。このような人物とその存在を許容する文化は、有色人種の女性が職場を去る主要因になっている。
調査によれば、有害な文化は米国企業に年間約500億ドルの損失をもたらし、大退職時代(グレート・レジグネーション)の最初の半年間において、人員減少につながる唯一最大の予測因子だった。
人材争奪戦のまっただ中で、ダイバーシティと優れた業績の関連性がようやく理解されるようになり、外部のステークホルダーがダイバーシティ指標に関するアカウンタビリティ(結果に対する説明責任)を求めている。
企業リーダーは、文化を犠牲にしながら高いパフォーマンスを上げるガキ大将の存在を許容し、報酬を与える行為が広範に影響をもたらすこと、特に有色人種の女性に影響をもたらすことについて、真剣に考えなければならない。