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採用面接は双方向のプロセスである。面接する側だけでなく、面接される側も観察力を働かせ、面接のプロセスがどう管理されているかを注視し、フォローアップの質問を行なうことを怠ってはならない。本稿では、求職者が採用面接で注意すべき10の危険信号を提示する。これらのシグナルは、自身にとって適切ではない選択肢の除外に役立つだろう。

 

 採用面接は双方向のプロセスだ。未来の上司や雇用主があなたの面接をしているように、あなたも企業の面接をしている。あなただって、仕事なら何でもよいわけではなく、自分に適した仕事を求めているはずだ。キャリアビルダーの調査によると、働き手の3分の2は、採用されてから仕事が自分に合わないことに気づき、その半数の人は入社後6カ月以内に退職している。ここにはいくつかの理由がある。たとえば、条件に偽りがあった、企業文化が自分の価値観と一致しない、有害な職場環境だった、などである。

 ラテン語の「caveat emptor」(買い手の危険負担)という言葉は、採用面接にもあてはまる。過度に懐疑的な態度で面接に臨めというのではない。面接プロセスにおける注意すべき危険信号を見逃すなということだ。そうしたサインは、未来の上司、チーム、組織全体に大きな問題があることを示している可能性がある。以下に、警戒すべき10の危険信号をあげよう。

 1 頻繁にスケジュール変更があり、混乱している

 誰だって忙しいし、想定外のことも起きる。だから面接のスケジュールを変更せざるをえなくなるのは珍しいことではない。しかし、度重なる変更は、警戒すべき兆候の1つである。「スケジュール変更は2回までは許容範囲ですが、3回目となると度が過ぎています」とエグゼクティブコーチでありキャリアコーチのスーザン・ペッパーコーンは言う。「酌量の余地のある事情が説明されなければなりません。企業側の時間が貴重なように、あなたの時間も貴重なのですから。また度重なる変更は、あなたが企業にとってそれほど重要な人ではないというメッセージにもなります。今日、経営者は応募者に対して、迅速に返答すること、明快なコミュニケーションをすること、従業員と同等に扱うことを強く意識すべきです。そうしなければ、応募者は他社を選んでしまうでしょう」

 エグゼクティブコーチでリーダーシップ戦略家のキャロライン・ストークスも同じ考えで、さらにこう付け加える。度重なる変更は、「企業側が人材や採用を優先事項にしていないことを意味しています。人材獲得戦争に気づいていないのです。物事がとり散らかっていて乱雑だったり整理できていなかったりするのは、間違いなく危険信号です」。これは、あなたとのコミュニケーション(またはその欠如)にもあてはまる。「もしリクルーターや採用担当マネジャーがかなりの期間、たとえば1週間、連絡を取ってこないならば、それは危険信号です」とストークスは言う。透明性と、コミュニケーション能力の欠如の表れである。

 2 他者への敬意がない

 どの組織にも、自然発生的な部署間の緊張やフラストレーションがある。よく見聞きするのは、営業部門と技術部門の間の緊張関係だろう。面接プロセスの中で会った人々は、他部署との関係や緊張状態について建設的に話していたか、あるいは他部署を責めたり、敬意を欠いたりするような表現が散見されたか。もし後者ならば、危険信号だ。部署間に厚い壁があることを示唆しているだけではなく、心理的安全性が低い可能性がある。

 複数の面接官によるパネル面接は、面接官同士の力関係を観察するよい機会だとストークスは指摘する。面接官は互いにどのように関わっているだろうか。相手の発言を頻繁に遮っていないだろうか。1人が会話を支配し、他の人の発言を封じていないだろうか。一瞬の表情も含め、ボディランゲージは何を語っているだろうか。これはZoom面接でもわかることだ。

 3 価値観がかみ合わない

 価値観のミスマッチは大きな危険信号だ。面接の前に、あなたにとって最も大切な価値観を明確にして、その会社がどのような文化を持っているか、あなたの心に最も深く根差す価値観とどの程度一致するか、あなたの価値観を仕事でどの程度表現できるかといったことを、見定められるような質問を準備しておこう。

 たとえばあなたの価値観の1つがインクルージョン(包摂)で、面接を受ける会社がインクルージョンに力を入れていると言明しているならば、実際、それを職場で実現するためにどのような取り組みをしているかを尋ねるとよい。またどのようにそれを測定しているのか。有言実行か、ただのリップサービスか。「今後数年間、本腰を入れて関わる、安定したよい環境を求めているのなら、価値観を入念に調べるべきです」とストークスは言う。

 同様に、自律性があなたの価値観の1つならば、「私の判断に任せてもらえるのは、どのようなことですか。何について、あなたの判断を仰ぐことを期待されますか」と未来の上司に質問してもよいだろう。たとえ期待通りの答えが返ってきても、「信じたうえで確認する」アプローチを取ることが大切だ。この上司の下で働いている人に、実際はどのような場面で自律性が認められてきたか、どの程度、意思決定の権限を委ねられてきたかを質問してみるとよい。説得力のある答えが返ってこなければ、それは危険信号だ。