パンデミック発生後にデジタルエコノミー職への関心が急増

 ビジネス、金融、アート、科学、IT、建築、エンジニアリング分野の仕事と定義されるデジタルエコノミー職への関心度を測定するために、筆者らは米国のデスクトップ検索の4分の1以上を占める検索エンジン「ビング」における職探しの状況を広範囲に分析した。

 雇用データに関する2018年の研究で用いられた手法に則って、クエリのランダムなサンプルの中から求職関連のクエリを1億件以上特定して雇用部門に分類し、月別と米国郡別に集計。新型コロナ禍の雇用ショックの期間中(2020年3月~2022年2月)の推移を、コロナ禍以前の2年間(2018年1月~2020年2月)の基準値と比較した。検索の例として、「ソフトウェアアーキテクトのキャリア」(テクノロジー)、「医療保険スペシャリストの仕事」(ファイナンス)、「初心者向けのフリーランスの執筆業」(アート)などが挙げられる。

 下のグラフが示すように、ビング上での検索状況から、デジタルエコノミー職への関心が高まっていることがうかがえる。パンデミック以前の2年間はデジタルエコノミー職への関心度はほぼ横ばいで、およそ14カ月ごとに全検索数の1%分増加する程度の伸び率だった。一方、パンデミック発生後は15%増加という統計的に極めて大きな影響がみられる。これはパンデミック前の2倍以上の伸び率であり、デジタルエコノミー職の検索件数は2年間で6年分近く増えたことになる。

 さらには、一般的にデジタルエコノミー職を含むリモートワークへの全般的な応募状況も似たような伸びを示している。リンクトインのデータによると、2020年2月にはリモートワークの職だけを選んで応募する応募者はわずか1.4%だったが、2022年2月にはその割合は24.6%に達していた。