テクノロジー企業が活用する
データグラフ
アマゾン・ドットコムが毎分4000個販売する商品のうち約半数が、パーソナライズド・レコメンド・エンジンで顧客にお薦め商品として提示されたものだ。アマゾンのサイトを訪れると、その人がまさにその瞬間にほしがっているものをアルゴリズムが予測し、それに沿って約3億5300万品目の中から商品を選び出し、並べてくれる。
このようなレコメンドの原動力になっているのが、たえず進化している同社の購買グラフだ。これは現実世界の「エンティティ」(顧客、商品、購買、イベント、場所など、アマゾンが蓄積するあらゆる情報)と、エンティティ間の結び付きや相互関係をデジタルで表したものだ。
アマゾンの購買グラフは、サイト内の閲覧データ、プライムビデオやアマゾンミュージックの試聴データ、アレクサ対応デバイスからのデータと、購買履歴を結び付ける。多様性(レコメンド品がどれだけ異なっているか)、意外性(どれだけ驚きがあるか)、新規性(どれだけ新しいか)などの要素を組み込んだ協調フィルタリングのアルゴリズムにより、地球上で最も高度なレコメンドを実現している。