経営幹部が「リーダー/マネジャー」から「リードする/
・あらゆる社内コミュニケーションチャネルを利用して、2つのスキルセットのバランスを取る決意を表明する。ミッションステートメントでもよいし、ビジョンステートメントでもよい。あるいは社内刊行物や全社メール、公式声明、カジュアルな対話を通じてでもよいだろう。
シンプルだが有効な表現を使って、リーダーシップとマネジメントは重複すること、そして両者のバランスを取ることの重要性を説明する。また、リードすることとマネージすることは等しく名誉なことであり、それぞれに適したタイミングがあり、誰もが両者に自分を重ね合わせるべきだと伝える。
・最高経営幹部をはじめとする執行役員と、この問題について定期的な対話の機会を持つ。集中的なコーチングやトレーニングをはじめとする支援策を通じて、スキルセットの穴を埋める。
経営幹部は、自分の仕事はリードすることだけだと思っていることが多い。だが、プロセスを管理するには、自身がリーダーシップを放棄して、部下にリーダーシップという手綱を引かせることが必要な場合もあることを、理解する必要がある。従業員はそのようにして育つものだ。権限を譲るのは、弱さの表れではない。それは、信頼によってリードする行為である。
・ミーティングや人事考課の際、これを話題にする。チームメンバーがリードしたり、マネージしたりした具体例を尋ねる。このような瞬間を重要な機会として、
・仕事に関する訓話を紹介して、リーダーシップとマネジメントのいずれかが優先される場合と、その結果について具体的に提示する。同様に、両者が調和した時の素晴らしい成功事例を紹介しよう。
・この考え方を株主とクライアントにも推進し、リーダーシップとマネジメントの関係、その組織内外における価値について創造的に考える機会とする。組織はリーダーシップを通じてイノベーションを成し遂げるが、マネジメントを通じてそれが思慮深く行われることを、金融機関から一般投資家まで、すべての株主が理解する必要がある。
・リーダーシップとマネジメントの機能的な違いを、取締役会に説明する。必要不可欠な要素を具体的に示し、注意深く行動する必要性を指摘して、取締役会の支持を取りつける。これを企業文化の一部にするには、取締役会の支持が欠かせない。