サウスウエスト航空の故ジェームズ・パーカーCEO(2001年の米国同時多発テロ後、共同創業者の一人で当時CEOを務めていたハーバート・ケレハーの後継者となった)は、その好例だろう。「リーダーシップは何か」という問いに、パーカーがどう答えたかを紹介しよう。
「ミッションを定義して、伝えること。どのようにすれば、それが達成できるかについてガイドを示すこと。人々に適切なツール(情報やトレーニングなど)を与えること。無私の献身と他者への敬意を通じて、他者を動機づけ、鼓舞すること。功績を表彰することを含めて、ポジティブとネガティブ、両方のフィードバックを与えること。そして、究極的にはミッションを達成する能力と権限を人々に与えて、自分は邪魔をせずにいることだ。自分はサポートしてもらえるのだと、彼らが確信を持てるようにするのである」
これは、リーダーシップの崇高な価値(インスピレーション、ミッション)とマネジメントの本質(フィードバック、権限委譲、トレーニング)の両者を含む名言だ。成功するCEOは、このバランスを上手に取っており、それゆえに企業も従業員もより豊かになる。
誰が言ったかわからないが、組織が「過剰に管理され、リーダーシップに乏しい」という言葉は、十分に正しい。この問題は、誰かが空虚なリーダーの役割に昇格することで解決するものではない。リーダーシップとマネジメント、両方のバランスを取るには、相手を満たすことと相手から満たされることの両方が必要なのだ。
"The Best Managers Are Leaders - and Vice Versa," HBR.org, September 22, 2022.