(2)関係形成型の会合
関係形成型の会合の目的は、つながりを強化することである。以前から存在するものとしては、オフサイトミーティング、グループのランチ、チーム作りのための遠足や旅行などが挙げられる。成功させるには、3つの要素が必要だ。
明確な目標
関係形成型の会合で最も悩ましい問題は、人が集まりさえすればよしとする「とにかく皆で集まろう」症候群だ。このようなイベントは楽しいかもしれないが、関係の形成には役立たない。集まるのが2人だろうが組織全体だろうが、関係形成型の会合は、明確な目標と意図を持って考案すべきである。「全員と知り合いになる」ことよりも、たとえば次のような目標を設定するとよい。
・キャリアの進展について知る
・意欲をかきたてるモチベーションを理解する
・成長した瞬間を振り返る
これらの目標を手掛かりにすれば、より自然な形で互いを知ることができるだろう。
計画性のあるアクティビティ
決まった型のない、何でもありの会合にするのではなく、意図を持って時間を構成しよう。たとえば次のようなアクティビティによって、一人で考える時間と小グループで共有する時間に分割するのも手だ。
・自分のキャリアマップを作り、重要な転換点にマーカーを引く
・自分がしばしば立ち返る仕事関連のアドバイスを一つ共有する
・レジリエンスにまつわる体験を話す
強力な関係は、自己開示のレベルを上げることによって形成される。上記のようなアクティビティであれば、自分で安心できるレベルを選んで内面を共有できる。長年一緒に仕事の荒波を越えてきたリーダーシップチームであれば、オンボーディングのイベントに参加する新入社員同士よりも、深みのある物語を共有できるだろう。
チームの一部を集める場合は、出席しないメンバーが非同期で参加できる方法をつくるとよい。たとえば、アドバイスのアクティビティを行う場合、事前に自分の例を動画にしてもらい、共有するとよいだろう。
異なる部署、階層、場所の人々を組み合わせる
人は放っておくと、どうしても楽なほうへと流れる。誰かと話すにしても、チームメートや同僚、似たような状況の人と話そうとする。しかし、組織ではこのような壁を乗り越えて関係を持つ必要がある。関係形成型の会合では、自然に任せていたら引かれ合わない人々を意図的に組み合わせることによって、関係作りを支援することができる。