3. スピードとアジリティを活用する
新型コロナウイルス感染症は、クリエイティブな業務遂行から予算承認まであらゆる面で、アジャイルマーケティングの実践をめぐるイノベーションを加速させた。ダイナミックな経済発展に対応するために、マーケターは今後もスピードとアジリティを活用し続ける必要がある。
不確実性が影響し、マーケターはこれまで以上にリアルタイムでメディアプランニングと購買戦略を進め、オークションベースの購買や柔軟性の高い戦術を好むようになる可能性が高い。その結果、高額なスポンサーシップやリードタイムの長い戦術、緻密な制作過程を伴うイニシアティブのようなマーケティングプログラムは、今後も圧迫され続けるかもしれない。
大規模なイベントには文化を変化させるようなブレークスルーとなりうる瞬間を生み出す力がある。しかし現在のような激動の時代には、ブランドへのインパクトと、財務面の柔軟性を失うリスクを天秤にかけるべき時だ。
何より、スピードとアジリティが求められる世界において、企業とそのパートナー(特に重要なのは代理店だ)が別々の指標に基づいて仕事を進めるわけにはいかない。どの指標が最も重要かを特定し、社内外や機能別サイロ(例:マーケティング、セールス、サプライチェーン)といった組織のさまざまなレベルにおいて、全員が同じデータセットに基づく業務遂行を徹底する必要がある。
4. 最前線に留まることで存在感を示す
景気後退期には、競合他社の一部が支出を抑制するため、従来通りのやり方を続ける広告主が多大な恩恵を受けられる可能性が高い。大規模なデジタル市場ではその可能性が高まるだろう。データドリブンの適切なマインドセットを備えたマーケターにとっては、景気後退はより大量に、あるいはより安価に購入が可能になる貴重な機会となる。
一部のプレーヤーが需要プールから退出したり、傍観したりする中、マーケターが短期間のうちに顧客や需要をより効果的、効率的に獲得することによって、同じ予算で競合他社との差別化を図ることができる。これは長期的に重要な意味を持つ。たとえば、いま、最前線に留まり続けるブランドは、オーガニック検索の結果に永続的な影響を与え、将来にわたって情報検索のレレバンス(商品やブランドに対して、消費者が自分との結びつきを感じる度合い)を確保できるだろう。