コード生成への利用

 GPT-3は特に、コンピュータのプログラムコードの生成においても、完璧ではないが役立つことが証明されている。コード生成に特化して訓練されたGPT-3のCodex(コーデックス)のプログラムは、「スニペット」と呼ばれる小さなプログラム機能の記述があれば、異なるさまざまな言語でコードを生成できる。マイクロソフト傘下のGitHub(ギットハブ)も、GPT-3のコード生成版としてCoPilot(コパイロット)を提供している。

 Codexの最新版は現在、生成したコードのバグを特定してミスを修正でき、コードの目的を説明することさえ──少なくとも時々は──可能だ。マイクロソフトが明らかにした目標は、人間のプログラマーをなくすことではなく、CodexやCoPilotのようなツールを人間の「ペアプログラマー」にして、人間のスピードと能力を向上させることである。

 LLMによるコード生成に関して一致している意見として、スニペットにはうまく機能するが、それらをより大きなプログラムに統合したり、プログラムを特定の技術環境に統合したりする際には、まだ人間のプログラミング能力が必要となる。

 デロイトが過去数カ月にわたり大規模な実験を行った結果、Codexは熟練の開発者の生産性を高め、未経験者のプログラミング能力をある程度向上させることが判明した。

 デロイトでの55人の開発者による6週間の試験的プロジェクトでは、ユーザーの過半数が、完成したコードの精度を65%またはそれ以上と評価した。生成されたコードの大部分はCodexによるものだ。また、実験全体で、関連プロジェクトにおけるコード開発のスピードが20%向上したことが明らかになった。

 デロイトはさらに、Codexを用いてコードをある言語から別の言語に翻訳している。同社の結論として、今後しばらくの間はこの作業にプロの開発者が必要だが、求められる人数は生産性の向上に従い、減るかもしれない。そして、ほかの種類のジェネレーティブAIツールと同様、プロンプトが優れていればいるほど、出力されるコードも優れていることが判明した。